★お題24.5個目【看病】 ページ34
広瀬が目を覚ましていない面影を撫でてから部屋を出た。すると太宰の部屋から何やら物音が聞こえた。
『……太宰君?』
扉の鍵は開いていて綺麗な部屋の中で二人が寝転がっていた。
「っ、ぁ、ばれちゃった……」
「あたま、われそ…」
太宰が頬を赤く染めて布団に寝ていた。
中也もまた熱い吐息をこぼしながら布団に雑に寝転がっていた。
『もしかして、うつった?』
数時間前に風邪をひいた広瀬が急いで近づきながら、慌ててマスクをつけた。
もうすでに用意されている薬と、水、熱冷ましの冷却シートに毛布なども用意されている。
『私と同じお題が来たんだね。
ってことは私が看病しなくちゃいけないってことか』
冷却シートを太宰の頭に貼り付け、中也にも半ばのしかかって貼る。太宰が片手で中也に布団を被せ、中也はのろのろした動きで頭に手を置いた。
「あっちィ。太宰、ころす」
「殺されるいわれは、ないよ。けほっ」
布団を深くかぶって太宰が咳き込む。
広瀬はあわて気味に上から毛布をかぶせ、二人の汗を拭く。心配そうな瞳に太宰がそっと頬を撫でた。
『薬、貸して』
「飲める?」『うん。ほんとは口移しがいいけど』
太宰が思うままにそう呟くと広瀬が薬と水を見て覚悟を決めたように自分の口に含んだ。
外しかけていたマスクをおもむろに外して、太宰にキスをする。
わずかな苦味に広瀬が顔を歪める。
太宰はなされるがままに薬を飲み込んだ。
『はぁっ、はぁ、ちゃんと飲み込めた?』
「……おかげさまで」
広瀬は苦しそうな中也にも同じようにしてキスをする。見えていなかった中也はひどく驚いたように引き離そうとしたが薬が自分の口に送り込まれると舌で絡め取ってそのまま飲み込んだ。
『っぷ、はっ……元気じゃん』
「なったんだよ、莫ァ迦」
中也も少し笑ってまた浅く息をしながら目を閉じた。太宰も少し安心したように微笑んでから、目を閉じる。二人をまだ心配そうに見つめる広瀬が二人の頭を撫でてそっと目を閉じた。
安らかな眠りを邪魔するものはこの部屋にはいなかった。
【達成!残り76個】
【次のお題を提示します】
ーーーーーーーー
ノイズ様からのリクエストで
【互いに看病する】
でした!
看病ネタは毎度毎度いいと思ってます。
弱ってる相手を見るのは割とそそります。
では、またのリクエストお待ちしております!!
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りこ - 汚れちまった悲しみにぃぃ!ってyoo(以下略の人間失格!!バージョンもありましたねあー面白かったです (2019年8月29日 0時) (レス) id: b092c6967d (このIDを非表示/違反報告)
たもまる - 3秒クッキング笑ったwwYouTubeのやつですよねw面白いです!! (2018年3月12日 23時) (レス) id: 8a764b3567 (このIDを非表示/違反報告)
ふぅ - コスプ(探偵社・ポートマフィア)レをしてそのキャラクターになりきって下さい (2018年3月11日 8時) (レス) id: f2cd38ed0f (このIDを非表示/違反報告)
瀬戸内ふうか - 相手を褒め称えて下さい (2018年3月11日 8時) (レス) id: f2cd38ed0f (このIDを非表示/違反報告)
源馬(プロフ) - リクエストありがとうございました!!想像してたのとほぼ同じで少し感動しました← (2018年3月7日 21時) (レス) id: 08b041d69a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:NamE.薆 | 作成日時:2018年2月9日 22時