お題１００個達成するまで出られない部屋【in.夢双黒】

★お題１７個目【子供をあやす】 ページ21

「びぇぇぇぇぇええっ！！！」




【子供を二時間あやしてください】





『私がお手洗いに行ってる間に何があったの』



「札が変わったと思ったら影から男の子が出てきて……」




黒くて長いワンピースに身を包んだ、亜麻色の髪の少年。目つきが少し悪いが泣いてるせいで可愛らしく感じる。




「ひっ、ひっく…」




『な、泣かないでよ……』




広瀬が抱き上げて頭を撫でる。
少し羨ましいと思う二人。




「っ、ひぐ…っ、ままぁ」



『ママ！？』



「「ぶふっ」」



広瀬をママと呼び泣きながら頬をすり寄せ、しきりに手を伸ばしては泣く。



「おい、貸せ」



中也に手渡すと子供は中也をじっと見つめて、なんとなく親近感が湧いたのか声を少し小さくした。




「よしよし………いい子だ」



「中身が子供だからかな」



「うるせ」





それでもまだ泣いている子供に太宰が近寄った。




「お兄さんと遊ぼっか！」




「………ひ、っ……えっく」




太宰の顔を見た途端、声を上げて泣き出す。
困惑太宰。失笑中也。




「えぇ、ダメなの？」



「ぇぇぇぇええっ！！」



『もしかしたら怖いのかも、屈んだら？』




太宰が屈み、おいで、と手を伸ばすと少年がゆるゆるとそちらに手を伸ばす。




「………っ」




「おいで？」




すると片足を思いっきり太宰に向かって振り上げた。顎に当たる足。
少年は一撃をくらわせた後、恥ずかしそうに中也の後ろに隠れた。




「相当嫌われてるな」



「ぱ……ぱ、パパ……っ」



『私がママで中也君がパパかぁ』



「じゃあ私はどの立場に……？」




少年が太宰の顔を一瞬だけ見て、泣き叫んだ。




「怖いぃぃぃっ」



『怖いんだって』「悲しいなぁ」




「ほらほら、泣くなって。男だろ？」




中也が言うと、少年が薄く笑いながら抱きついた。



「ありがと、パパ」



少年を撫でる手は優しく温かく、その光景は微笑ましかった。




【達成！残り８３個】



【次のお題を提示します】




少年は立て札が裏返るとともに消えた。
少年がこっそり渡した隠れ札に中也が気づくのは一体いつなのか。




ーーーーーーーー

フューズ様からのリクエストで
「子供をあやす」
でした！



身も心も子供って中也さん(？)と思ったので少年の容姿をにさせました。
中也さんが子供になってあやされるのも書きたい……



では、またのリクエストお待ちしております！！

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