〜来店のお礼 ページ19
上記二つは、
洋埜 様のリクエストでございました。
住野よる様の作品はどれも衝撃があって、見ていてもう一度見たくなることが多いんです。
ぜひ読んで見て欲しいです。
またのリクエストをお待ちしています。
これからちょっとおまけです。
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『幸せって、何?』
彼女の永遠の疑問。その幸せの観点を今日も彼女は空を見つめながらうわごとのように呟いて座っている。
『ねぇ、幸せって何かな。太宰さん』
私のことを呼ぶ時の声が、その目がやけに悲しげでいつも私は目を背けてしまう。
「人それぞれ、幸せの概念は違うよ。私だったらいち早く死ぬことだし、君は………」
言いかけて、言葉が出なかった。
この子の幸せの概念は私が言っていいものじゃない。
『太宰さん、今、悲しい?』
「っ………」
『苦しい?』
細すぎる腕を伸ばして冷たい手が私の頬に触れる。このか弱い腕をつかむことができない。
「…………わからない」
自分の本当の幸せも、今の感情も、死に際のことも。この子が、どうしたら幸せと言ってくれるのかも。
『私は、こうして太宰さんといることが幸せ』
倒れ込んで私の方にそっと頭を乗せる。
嗚呼、こんなに冷たい。
貧民街にいたこの子は生きるすべがない。今はマフィアでこっそり物を拝借したり、私が手助けしたりしてなんとか生きているが、家もなければ明日生きていけるかもわからない。
『太宰さん、あったかいんだもん』
私が匿うと言ったら、探偵社側からきつく禁じられた。私だからか、本当に無理だったからかわからないけど、その選択しかなかったのか何度も抗議した。でも、現実は甘くなかった。
こんな小さな子供ですら、一緒にいてはいけないという世界だ。
嫌気がさして、また死にたくなる。
そんな中で、この子は私を知っていながら寄り添っている。冷たい私をあったかいと言い、汚れた私を綺麗でかっこいいと言う。
優しすぎて、どうしてこんなにも世界がこの子を認めないのかがわからない。
この子は、幸せを求めているだけなのに。
『お腹、すいたな……ぁ』
小さく呟いて、そっと寝息を立て始めた。
その時溢れた涙は、私が手を伸ばした時に弾けて消えてしまった。
その涙を救う資格はあっても、
その涙に手が届かない。
虚しさが幸せを追い求めている。
私も、この子も、きっと同じだ。
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四月一日(プロフ) - NamE.薆さん» ありがとうございます! (2017年12月31日 7時) (レス) id: ecd8b49d96 (このIDを非表示/違反報告)
NamE.薆(プロフ) - 四月一日さん» かしこまりました!この小説の続編の方に書かせていただきますのでご覧ください。 (2017年12月30日 23時) (レス) id: 71af860354 (このIDを非表示/違反報告)
四月一日(プロフ) - NamE.薆さん» あ、そうでしたか。では、似たような異能をお願いします! (2017年12月30日 12時) (レス) id: ecd8b49d96 (このIDを非表示/違反報告)
NamE.薆(プロフ) - 薬研清香さん» 申し訳ありません。他の方からのリクエストなので、使用を許可できません。似たような異能をご希望ならお作りしますが、どうでしょうか (2017年12月30日 12時) (レス) id: 71af860354 (このIDを非表示/違反報告)
薬研清香(プロフ) - 37頁のクレヨンを使わせて頂いてもよろしいでしょうか? (2017年12月30日 9時) (レス) id: ecd8b49d96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:NamE.薆 | 作成日時:2017年10月1日 21時