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- Leo Tsukinaga -
「 レオさん、本当に良かったのか？ 」
「 …何が？ 」
「 それ 」
空港のターミナル内にて、隣に腰掛けていたママがおれの手元を指さした。
スマホはさっきから鳴りっぱなしで、画面には『 スワ 』の表示。
「 さっきかけてた子だろ？ 」
「 うん。でも、こんな朝早くにかけたおれが悪かったな！寝てるに決まってるのに 」
「 でもかけ直してくれてるじゃないか 」
スマホをポケットの中に突っ込んで、立ち上がった。
飛行機の搭乗時刻が近づいてきたので、ママに声をかけて搭乗口へと向かう。
海外に行くっていうのに大した荷物もなく、キャリーケースも何も持たずに歩くおれは、傍から見たら少し浮いているのかもしれない。
「 スワ…って、聞いたことない名前だなあ。レオさんの大切な友達かあ？ 」
「 うん。おれの大切な女の子だ 」
彼女の優しい声を思い出して、つい足が止まる。
あぁ、だめだなぁ…おれ。
前々から決まっていたことだったのに、結局スワに言い出せずに姿を消すことになるなんて。
「 ごめん、スワ…… 」
スワにとっておれなんていてもいなくても大して変わらない存在かもしれないけど、この数ヶ月のほとんどを彼女と過ごして少しは仲良くなれたと思っている。
彼女の心の奥底におれという存在を植えつけることが出来たのなら、なにも思い残すことはない。
「 レオさん？ 」
「 …あ、ごめん 」
少しぼーっとしている間に、ママが搭乗口の向こう側で不思議そうにこちらを見ていた。
ポケットから航空券を取り出してゲートにかざそうとしたその瞬間、今 一番 会いたくて、一番 会いたくない人の声が聞こえた。
「 レオくんっ！！！ 」
頭の先からつま先まで電流が走ったかのように、指一本さえも動きそうになかった。
正面でママが、「 レオさん、あの子 」と目を見開いている。
分かってるよママ。
けどここで振り向いてしまったら、前に進めなくなってしまうから…。
「 レオくん 」
実はバカだろ、スワ。
なんで搭乗口まで来たんだ。
怒られるぞ、保安検査場すっ飛ばしてきたのか？
「 レオくん 」
三度 呼ばれた自分の名前に、もう振り返るしかなかった。
…おれは、初めてスワが泣いているところを見た。
大きな瞳いっぱいに涙を溜めて、しゃくりあげるほど。
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ここち(プロフ) - momoさん» momoさんコメントありがとうございます！ 自己満小説になっていないかと思っていたので、そういった意見をいただけて本当に嬉しいです。とても励みになります。これからもよろしくお願いします。 (2021年10月3日 14時) (
レス) id: c2fb8c431e (このIDを非表示/違反報告)
momo - めっっっちゃ好みです。。。Knights大好きだし話の展開っていうかもう色々ドストライクすぎてイッキ読みしてしまった、、あと泉くんイケメンすぎて惚れました…続き凄く楽しみです！更新頑張って下さい！！ (2021年10月3日 1時) (レス) id: d97a5a4175 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリ | 作成日時：2021年9月23日 4時
