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三学期が始まり、吹奏楽部の活動が活発になったのと、部活後にアルバイトをたくさんいれていることから、レオくんと会う機会がぐんと減った。
たまに連絡はとっているけど、恐らく彼自身がスマホを常に持っているような人ではないし、心の傷も癒えていないからあまり外に出歩かないのだろう。
「 心の、傷 」
大切な友達だというのに、私は彼の身の回りで起きた何かを未だに知らない。
聞けば教えてくれるのだろうけど、そこまで踏み入る勇気もないし、聞いた後に彼にかける言葉が見つかるかも分からない。
私は普通科の人間だし、今のこの友達という距離感を保つということがベストなのだと思う。
「 こんにちは 」
夢ノ咲学院のすぐ近くの住宅街の中にひっそりと佇むこのカフェは、知る人ぞ知る隠れた名店だ。
まだ私が一年生の時、荷物を抱えたお爺さんを助けたところ、その人がこの店のオーナーだったらしく、「 Aちゃんのような易しい心の持ち主に是非 」とアルバイトを頼まれたのだ。
お爺さん一人で経営しているなんて大丈夫なの? と初めは心配したが、ここにくるお客様は限られているし、老後を楽しく過ごすための趣味のようなものらしい。
「 おぉ、Aちゃん。遅かったね、部活動かい? 」
「 はい。ごめんなさい、こんな時間に来ても、片付けくらいしか出来ないですよね 」
「 いいんだよ、来れる時に来てくれたら。何時でも構わないよ。うちにはシフトなんてものはないからね 」
真っ白のシャツの上にベージュのエプロン、黒のズボンを履いて裏から店内へ顔を出すと、そこにはお爺さんが一人だけ。
まだ営業終了まで時間はあるが、今日も変わらずお客様はいないようだ。
「 お爺さん、何かすることあります? なければ私、掃除したいところがあって 」
「 Aちゃんの好きにしてくれたらいいよ 」
「 そうですか? じゃあ、店は私が見ていますから、お爺さんは休んできていいですよ。ご飯とか、お風呂とかまだですよね? 」
そう言うと、お爺さんは「 ありがとう 」と笑って、覚束無い足取りで裏から外へ出ていった。
しんと静まりかえった店内で、私は雑巾と洗剤片手にキッチンを掃除していく。
今度お爺さんに相談して、音楽でも流してもらおう。
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ここち(プロフ) - momoさん» momoさんコメントありがとうございます! 自己満小説になっていないかと思っていたので、そういった意見をいただけて本当に嬉しいです。とても励みになります。これからもよろしくお願いします。 (2021年10月3日 14時) (レス) id: c2fb8c431e (このIDを非表示/違反報告)
momo - めっっっちゃ好みです。。。Knights大好きだし話の展開っていうかもう色々ドストライクすぎてイッキ読みしてしまった、、あと泉くんイケメンすぎて惚れました…続き凄く楽しみです!更新頑張って下さい!! (2021年10月3日 1時) (レス) id: d97a5a4175 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリ | 作成日時:2021年9月23日 4時