【鬼滅の刃】存在がうるさい。

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Aside





『おー、藤の花すごいね』

｢咲く時期じゃないのに｣

『あ、』

｢ん？どうかしたのか？｣

『いやなんでもないよ！』





辺りはすっかり真っ暗になり、三日月だけが光輝く。

ついに藤襲山の手前まで到着した私たちは藤の花が咲き誇る長い長い階段を登っていた。

月明かりに照らされる藤の花はとても幻想的だ。



で、私が声を上げた理由はと言いますと。

その藤の花を見て派手野郎との昨日の会話が頭を過ぎったからである。





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最初の頃と比べると格別に厳しくなった訓練を終え、風呂も晩飯も済ませた後のことだ。

須磨さんとまきをさんと雛鶴さんに｢明日頑張ってね！｣と応援され、まじで最終選別ってやつ実在するんだな……と肩を落としたとき。

継子にさせ、この屋敷に住まわせ、厳しい訓練をさせてきた張本人が言ったのである。ご存知の通り、これらは全て強制である！





｢お前稀血なんだから最終選別のときは藤の花持って行けよ。明日の朝渡すからぜってえ無くすなよ｣

『へいへい。てか藤の花ってほんとに効果あんの？』

｢あるから言ってんだ。血気術使う鬼に狙われたら一溜りもないだろ？｣

『くっそ氷室さん思い出させんな！傷が……疼く……！！うおおお』

｢勝手に言っとけ｣

『酷い』

｢(まあ最終選別に血気術を使うような鬼は出ないはずだし、出たとしても今のAなら恐らく大抵の鬼は余裕だけどな。下弦の鬼が出る訳でもあるまいし)｣





▽





と、確かに昨日の夜そんな会話をしたはずなんだけど。

今日の朝1ミリも触れられなかったよ？私も完全に忘れてたけどさ。

これは？もしかしなくても？大量の鬼に狙われてジ・エンドなのでは……？？？(震え声)





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