【tkrv】自分の美の価値観が世の中と全然違う件2

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マイキーさんはお子様ランチについてるような旗付きが好きらしいのだが、初めて作った時旗とか何も用意してなかったので、苦肉の策でケチャップでオムライスに国旗を描いたら、予想以上にウケた。それからは実物の旗じゃなくても面白いしいいよと言われ、オムライスに国旗の絵を描くようになった。
この間は爪楊枝の先端を駆使してエクアドルの国旗描いたら、「あの短時間でどうやったらそうなんだよ！」と見たことないくらい爆笑された。九井さんも「スゲェ！スゲェ！」と言いながら笑っていて、二人して写真撮ってた。

男子高校生みたいにはしゃぎまくってる成人男性(ほぼアラサー)の姿、マジで栄養素高くてニコニコしちゃったよね。あの笑顔のためにケチャップ国旗シリーズは今後とも続けていきたい所存である。

——そんなこんなで、今のところはめちゃくちゃ平穏な日々を過ごせている。

…

ある日、前よりも来客が増えて賑やかになったオフィスに、またも客人が訪れた。

コンコン、と珍しくノックが鳴ったので、灰谷さん達やマイキーさんじゃないことにすぐ気がついた。あの三方、割とノックとかせずに自然に入ってくるんだよね。

「よう」
「あれ、鶴蝶さん！お久しぶりです！」

訪れたのは鶴蝶さんだった。
それとその後ろには二人、見知らぬ男性がいた。どちらもダンディーでカッコいい人たちである。取り敢えず、笑顔で会釈をすると案の定少し驚いたような顔をされた。

九井さんが「珍しいな。どうした？」と鶴蝶さんに問いかける。鶴蝶さんはチラリと私を見ると、「…梵天に正式に入るって聞いてな。幹部を紹介しにきたんだ」と言った。それを聞いて嗚呼成程、後ろにいる男性二人は幹部の方だったのか、と納得した。

「…Aさん、大変だったな。出張から帰ってきたら、色々あってAさんが本格的に参入することになったって聞いて、すげえビックリした」
「あー、アハハ…改めて今後ともよろしくお願いします」
「ああ。…なるべくAさんには危険が及ばないような仕事回すから。その辺は安心してくれ」
「ハイ。お気遣いありがとうございます」
「コレくらい当然だって。…それに、こっちこそありがとうな」

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