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「だいたい新ジャガ2号。アンタは他人を心配してる余裕があるの?」
ヴィル先輩は自分に反抗てきたデュースに、眉をひそめながら言った。デュースも事実であるが故、何も言えない。
「ダンスも歌も他のメンバーにかなり遅れをとってる。同じ時期にダンスを始めた新ジャガ1号に比べても差は歴然。
自分が足を引っ張ってる自覚、ないとは言わせないわよ」
「それは…………っ」
「チームきってのお荷物が、一丁前な口をきかないで」
「………………、すんません」
きっとデュースは自分が出来の悪いことを、一番理解しているのだろう。彼が素直に謝った時、エースは呆れた口調でぼやいた。
「あーあー、怒られた。だから余計な首突っ込むのやめとけっていつも言ってるじゃん。
お前、バカだし要領よくないんだからさぁ」
「……!」
「………………ッ!!うるせぇな!!
わかってんだよ、そんなことはッ!!!!」
エースにそう言われたデュースは、大声を上げて彼を睨みつけた。
「えっ、なんで急にキレてんの」
「“要領がいい”お前には、わかんねぇよ!」
デュースが怒り出した理由が分からないエースは目を丸くして驚き、デュースは走り出してエペルと同じ扉からボールルームの外へと行ってしまった。
「はぁ〜〜〜〜〜?なんだよあれ。意味わかんね」
「……ちょっとエース、今自分がどれだけ無神経なこと言ったか、分かってる?」
「エース、オメーもうちょっと相手の気持ち考えたほうがいいんだゾ」
「それ、グリムにだけは言われたくねーんだけど?」
私とグリムに軽く小言を言われたエースは、納得できないように、不機嫌そうに続けた。
「つーか、なんで出来てるほうが足引っ張ってるヤツに気を遣わないといけないわけ?同じだけレッスンしてんだし出来ないほうが悪いじゃん」
「………………」
確かに。勉強面でもデュースは容量が悪く、理解力に少し乏しいところがある。
でも彼は彼なりに努力している。テストの出来は芳しくないけれど、自分なりに抗っている。自分のせいで泣かせてしまった母親のために、昔の自分を脱いで、優等生を目指している。
それを……エースだって知っているはずだ。
私は、持っていたタオルを落としたことに気づかず、エースに近づいた。
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紅葉(プロフ) - 星空ブリキさん» いや、ほんと……来ちゃうよ……ディアソ最推しはツノ太郎なんだが、ヤツはオバブロの匂いを漂わせてやがる…!でも彼がオバブロすると真面目に世界崩壊免れん()とにかく最後、推しが笑っていれば全て解決なのだぁ!!!!!! (2022年12月18日 19時) (レス) id: 3f443412c7 (このIDを非表示/違反報告)
星空ブリキ - 7章くるね…ディアソ民(主に俺はセベク推し同担かもん)にとっての最高の祭りじゃ。皆のもの、(推しに)太る準備はできた() (2022年12月18日 18時) (レス) @page26 id: d2bad01efc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅葉 | 作成日時:2022年12月11日 15時