2Q ページ4
バスケ部を覗いて来るからと、テツヤ君と一旦別れ、私は入学式へと向かう大勢の流れを遡った。
バスケ部は確か、順とリコが受付をしてて…他が全員、どこかで宣伝をしてるハズだっけ？
そんなことを思いながら、人を避け周りを見回しながら歩き続けていると、
「バスケ部！バスケ部に入って熱い青春が、あっついに！」
「俊……」
中々良いようなダジャレを叫びながら、しかし誰にも振り向いて貰えない、同級生の部員。
見ていて虚しくなってしまい、ボソッと名前を呟いて立ち止まった。
すると、向こうも私に気が付いたようで、「あ！」と驚いたような顔をする。
「白宮！どこ行ってたんだ？日向とリコが探してたぞ」
「２人が？何だろ…」
呼び込みは任せておけ、って言われていたから、多分人手が欲しいとかでは無いと思うけど…
俊の言葉に、首を傾げて疑問に思いながらも、私は取り敢えず頷いて進む。
桜の木の傍、道沿いに広げられた長机と、2脚のパイプ椅子………そしてそこに座る、見覚えのある2人。
近付いて来た私に気付く様子はなく、何やら入部届を見て………揉めてる？慌ててる？
「ねぇ、何かあったの、2人とも？」
声を掛けた途端、ようやく私に気が付いた２人がほぼ同時に顔を上げ、
「ちょっと！今年の新入生、ヤバいわよ！」
「おい！今年の1年の入部者、スゲェよ！」
バッ！…という勢いで見せつけられた紙は、２枚。
片方には、帝光中学の黒子テツヤ………って、これはテツヤ君のか。
もう片方は、やや汚い字で、火神大我と書いてあった。その下にある中学名は、
「アメリカ！？って、帰国子女……ってこと？」
「えぇ、きっと……バスケの名門帝中出身と、バスケの本場アメリカ出身よ！」
「ヤバくない？ヤベェよな、スゲェな」
「珍しく語彙力消えてるね、順…」
盛り上がる様子の2人を目の前に、私はぼんやりと考える。
アメリカ帰りの帰国子女、か……………
「…なーんか、ヤな予感がするなぁ…？」
続く (更新停止中)
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作者名：れんり@3回目 | 作成日時：2019年4月24日 20時
