すきなものの食べかた【宮治】

すきなものの食べかた：18 ページ18

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「 角名にもなんか言われたやろ？治のことで 」

『 っえ、なんで知って… 』

「 なんか珍しくお前と角名が絡んどるなあ、って
思ったらお前の顔真っ赤やってん、治の話題かなあって 」


いや、どんな特定の仕方だよ！
否定しとけばよかった！
てか私、顔真っ赤だったの！？


『 あのさ、私は別にそんな… 』

「 治のこと嫌い？ 」

『 …なわけないよ 』

「 せやろな 」




嫌いなわけがない、
あんなに親切にしてくれて、寧ろ好印象しかない。


「 正直さ、気になっとるやろ、治のこと 」

『 … 』


いつもみたいに、否定できない。

気になってなんかなければ、
昨日みたいにコソコソしてまで体育館まで見に行かないんだから。

侑みたいな、ただ仲のいい友達、
恋愛対象じゃない、とは言い切れない。


『 侑、私のなにを見てそんなこと言うの？ 』

「 かお 」


は？ふざけてんの？また悪口？

殴りかかりそうになるも、侑いわく、

治と話してる時の私の表情がいつもと違うらしい。


「 女の子、って感じの顔すんねん、お前 」

『 …ちょっと意味がよく、 』

「 まあなんか、俺のときと全然顔が違うねん 」


表情か、勿論そんなことを言われたって、
自分では全くわからない。

女の子の顔、っていうのもよくわからないけど、
別に意識してそんな表情してるつもりなんてないし。


「 まあ俺と治とじゃ対応違っても
別に不思議やないけど、なんか滲み出る雰囲気とか、そういうのも別人 」

「 せやから、治に対応して、
好きとか恋愛的な、そういう感情持ってんのかなって 」



少し前に、侑に言われたことを思い出す
「お前って基本的に男子に冷たい」。
そんな私が、男子である治に“女の子の顔”を
していることに、違和感を感じたらしい。



『 …そう、 』



なんだ、ただ冷やかして、
私で遊んでるのかと思いきや、
私のこと、よく見てるんじゃないか。

そんな風に言われちゃ、なにも言い返せない。

真面目に説明された上、
余計に治のことを意識するようになりそうだ。



『 ちなみによくわかんなかったから聞くけど、
あんたと話してるときはどんな顔してる？ 』

「 えーっと、わりと野生のゴリラ 」

『 シバく 』



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