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【ノルソル過去編】善良な悪人達の話 ページ38

「……して、ヌシには色々と聞きたい事が山積みじゃ。」

「……」

「あの弱小部族の元に送ったのは主を含めて妾が認める精鋭だったはず…。何故このような無様な醜態を晒したのじゃ?」

ビシッとオキナの面前に羽扇を突きつけたツクヨミの問いに、オキナはしばらく黙った後で重い口を開く。

「……ノルカ、と。ソルカです」

「何?あの雌豚の餓鬼共が何をしたと言うのじゃ」

「……あの二人が妖力開花したのです」

オキナの発言に、ツクヨミは目を丸くした後で嘲笑混じりにため息をついた。

「はっ、何を吐かすかと思えば……。確かに妖力開花は物珍しい現象だが……それがなんだと申すのじゃ?まさか、主に消えぬ傷を残したのも精鋭達を亡きものにしたのも……奴等だ。等という冗談を言うわけじゃあるまいな」

「……冗談等ではありませぬ。奴等です。このワシに致命的負傷を負わせ…部下を……軍を壊滅させたのはあの二人なのです」

オキナは語った。あの場所で何が起きたのか。
マグマにのまれ無残に焼け溶ける部下達。駆ける熱風、そして理性等まるで無い殺戮者の瞳をしたノルカ。
そんなノルカですら制す凍てつく冷気を一瞬で作り出し、その棘のような冷気によりオキナ自身にも消えない傷を残したソルカ。
陰と陽を現すような双子の能力は、化け物に匹敵する……と。

「……正直申し上げます。ワシは恐怖してしまった……あの、悪魔のような子供達に」

顔を青くさせながら、自身の右顔面に負わさせた凍傷の後を抑えるオキナをツクヨミはただ黙って見下ろしていた。

「……オキナ。問を変えよう……して、その化け物達は今、何処に居る?」

「……それは……」

あの時。薄れゆく意識の中オキナが見た光景。それは一隻の宇宙船が高く飛び上がった曇天の空だった。

「……恐らく、妖兎が亡命を企てていた先……。地球へ飛び立ったものと……」

ツクヨミはオキナの言葉にしばらく黙ったあとで、高らかに笑いだした。
オキナがギョッとする程に、それは愉快そうな笑い声だった。

「ハッハッハ!!!そうか!!化け物達は地球へ旅立ったのか!!!ククッ……面白いのぅ」

「も、申し訳ありませんツクヨミ様!!……ワシが直々に地球へ赴き、直ちに奴等を……もしくは全宇宙に捜査網を」

「良い。しばらく泳がせろ」

ツクヨミの反応は、オキナが思ってもみないものだった。
呆気に取られていれば、再びツクヨミが笑い出す。

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story101(プロフ) - はい!ぼんさんの作品、正座待機でお待ちしております。 (2016年12月25日 22時) (レス) id: 8b873bc734 (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - story101さん» こんばんわ!お久しぶりです^^*更新停滞申し訳ございません(><)ふぉお!そう言って頂けると喜びの舞を披露しちゃいますよ!!←怖い有難うございます!これからもよろしくお願いします(。_。*) (2016年12月25日 22時) (レス) id: c56038631b (このIDを非表示/違反報告)
story101(プロフ) - こんばんはまっくろワッサンです。私エンマ大王。特、にぼんさんの作品のエンマ大王の大ファンです。面白いのひと言に尽きるというか (2016年12月25日 21時) (レス) id: 8b873bc734 (このIDを非表示/違反報告)
こたつ(プロフ) - ぼんさん» いえいえ、それほどでも(照)(((はい!もちろんです!応援してます!! (2016年10月29日 0時) (レス) id: a285e02c29 (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - こたつさん» こんばんわ!おおっ!流石こたつさん^^*仕事が早いでウィス・:*+.(( °ω° ))/.:+読み返して下さってありがとうございますー!これからも頑張りますのでよろしくお願いしますm(_ _)m (2016年10月28日 1時) (レス) id: 5b2ccc4cc0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぼん | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年6月5日 4時

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