【ワートリ】追いつきますから【太刀川慶】

学校にて。 ページ12

「柚宇!ゲームばっかりしないでかまってよー」

「えー……。だってAランク戦の話しかしないじゃん」

「いいじゃん!ね、なんで太刀川隊ってそんなに強いの?なんで?」

「知らなーい」

「ええー……。柚宇、知らないふりしないでよー」


昨日、鋼に負けて太刀川隊所属のオペレーターである柚宇にいろいろ聞こうと思ったのに柚宇はゲームばっかりで話聞いてくれない。

戦い方とかはいつも見てるオペレーターに聞くことが多い。

毎回、昼休みのたびにこうして柚宇のところに来てる。

いやー、前まではちゃんと話聞いてくれたの。ホントに。



「いっつもおんなじ話だから飽きてきちゃったー」

「ひっど!しかもこっち向いてすらくれない!」

最近はずっとこんな感じだけどね。


「Aさ、今日も本部行くのー?」

「もちろん!ランク戦昨日あんまり出来なかった分、今日はいっぱいする!」

「いっつも十分やってるじゃん」

画面を向きながらも一応会話して笑ってくれる。



「んで!どうやったら強くなれると思う!?」

話を元に戻してもう一回聞いてみる。


「ちょっと待って。今めっちゃいいとこだから」

一気に目がマジになるのをアタシは見逃さなかった。


「アタシの話聞いてる時より目が真剣なんだけど!?」

「……」

「……」

どうやら画面に釘付けで声が届いてないらしい。


「なんかもういいやー」

早く放課後なんないかなー。

ランク戦したくてしょうがない。


そんなこと考えながら、ふっとどうでもいいような事を思い出して口に出す。


「あ、駅前の新しいケーキ加古さんたちに買ってこ」


いきなり柚宇が画面から顔を上げた。



「アタシも行く!」

「そこは聞こえてるんかい!」

いっつもこんなんだけど、これでも柚宇とはめっちゃ仲良しなのですよ。

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