社畜してたら反社来た【佐野万次郎】

反社.13 ページ13

貴「…綺麗、か…｣
思わず頬が緩んでしまう

湯船に浸かりながらぼんやり思う
久しぶりにしたメイク

暫く無縁だったからすごく時間がかかってしまった
でも万次郎さんが褒めてくれたの

可愛い、綺麗、って
優しい顔でそう言ってくれた

あんなにかっこいい人にそんな風に言われたこと
今までに1回もないからドキドキした

抱き締められたときに腕を回したら
驚いてたけどそのままでいい、って

私より細いんじゃないかと思うくらい痩せているけど
抱き寄せる力は強くて

他の男性に触られるとゾッとするのに
万次郎さんが相手だと安心するし怖くもない

貴「あつ……｣
流石に長湯しすぎた

逆上せてしまう前にお風呂から上がって身体を拭く
高級そうな生地のパジャマに袖を通して

髪の毛をしっかり乾かしてから脱衣所を出ると
貴「ひっ…！？｣

三途「クソ失礼な反応しやがるな。さっさと着いてこいドブ。なんでこんな女がマイキーに気に入られてんだ」

ブツブツと言いながら私の前を歩いていく
…やっぱりこの人は怖い

万次郎さんを崇拝してるみたいで
彼の傍にいる私が気に入らないみたいだ

こっちの方は来たことないなぁ…
初めて行く部屋だから案内してくれているのか

三途「ここだ。入れ」
彼の指示に従って扉を引くと万次郎さんがいた

佐野「Aおいで。三途に何もされてねぇ？」
貴「え、っと…大丈夫です｣

三途さんにすごく睨まれた…
大人しくしておくのがいいよね…

万次郎さんに言われて隣に座ると
高級そうなソファーがゆったりと沈む

何気なく周りを見回すと
バーのVIPルームのような作りの部屋だった

…実際行ったことはないけど
多分、こんな感じだと思う…

彼の手元にはお酒を作る為の道具があった
佐野「一緒に飲も」

貴「はいっ｣
万次郎さんのかっこよさも相まってホストみたいだ

佐野「何飲む？Aに合わせる」
貴「えっと…｣

可愛らしくカクテルとか頼んだ方がいいのかな…！？
でもカクテルの名前なんてわかんない…

佐野「Aはチューハイ好きでしょ」
貴「…っ、好きです…｣

佐野「じゃあそれにしよ」
…万次郎さんの隣は心地いいなぁ…

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