「好奇心」は自分の首を絞める〜Part13〜

交錯する想い ページ49

車の中ではジョディにより謎が少しずつ解明されていく。
その謎解きにAの頭上の方で小さな声で「ﾎｫｰ」と感心するような声が聞こえた。


「…少し飛ばしますよ」

「え？」


運転している男性…キャメルが真剣な声で言う。


「後ろから妙な車が後を付けているんでね…」


そのセリフにAはいよいよその時がくると少し身体に力を入れる。
すると目の前の人物がスっと腕を彼女の身体に回し抱き寄せてきた。
一瞬叫びたくなる気持ちを全力で飲み込み、Aは耳を研ぎ澄ます…
車のスピードは一気に上がり、揺れが強まってきた。


「それで、赤井さんは今までどこで何を？
心当たりのある人とかいないんですか？
口癖が赤井さんと同じとか…」

「口癖…？」

「ほら、赤井さんよく言ってたじゃないですか、50/50だからお互い様だとか…」


その時、ジョディの記憶の中であの人物が浮き上がる…


「あぁっ！！！！彼よ彼！！」

「え？」

「前に話したでしょ！？米花百貨店でぶつかった、妙な男の事！」


正体を掴んできた事の話の間も無く、車のスピードはドンドン上がり、山道の為カーブが多くなってきた。
それでも後ろの車はピッタリと付いてくる。
その車を振り払おうとキャメルの運転はドンドン過激になっていった。


「くっ！！」

「嘘っ！車でバリケード！？」


山道の途中で車が数台道を塞ぐように止まっている。


「舌を噛まないように！！奥歯噛み締めててくださいよ！！！」

「ぐっ！！」


キャメルの言葉にジョディはグッと歯を食いしばる。
当然後ろにいるAもグッと歯を食いしばった。それと同時にグイッと強く抱き締められ、その人の胸元に頭を押し付けられる。
離れようにも後頭部に手がある為離れる事ができない。

ぎゃあああああああああ！！！！
なんか密着凄いんですけど！！？
お、落ち着け、こんな時は深呼吸…スーーハーー…あ、なんかいい香りが……
って今はそんな事考えてる場合じゃねええぇぇぇぇ！！！離してくれええぇぇぇ！！！

「危ないからじっとしていてくれ…」

ふわあああああああぁぁ！！！
耳元で囁くなっ！！危ないのは車じゃなくて貴様じゃい！！！！

だが、動こうとすると更に力が強くなる為、バクバクとうるさくなる心臓を必死に堪えるようにギュッと奥歯を噛み締めた。
車は崖の方に乗り上げ、車体が横斜めに浮き上がる。
そのままバリケードの間を通り、抜けると車体はガクンと元に戻った。



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