「好奇心」は自分の首を絞める〜Part13〜

異次元の狙撃手15［完］ ページ34

着替え終わり、Aはベッドに入る。


「また色々話したい事あるけど…もう今日は休みなさい。」

『うん、ありがとう恵ねぇ』

「お礼なんていいのよ！あなたが無事ならね。」

『えへへ…』

「さ、残るミッションは元気に退院よ。」

『だね！…おやすみ恵ねぇ』

「おやすみなさいA」


そう言って瞳を閉じたAに、恵はそっと彼女の頭を優しく撫でた後病院を後にした……





翌朝、病室に真っ先にやってきたのは世良だった。


「おはよう姉さん。調子はどうだい？」


世良はベッド横の椅子に座りAを見つめた。


「姉さん、例の犯人捕まったんだよ！あの名探偵達がやってくれたんだ！」


世良はコナン達から聞いた犯人逮捕話を語っていく。


「事件も終わったし、これでまた気軽に歩けるね！姉さんと色んな所行きたいなぁ…」


世良が見つめても、彼女の目はまだ覚まさない…
世良はそっと彼女の手を取り、優しく握る。


「姉さん…姉さんも僕を置いていかないで…」

『……いける訳ないじゃない……』


突然聞こえてきた声に世良は驚き顔を上げた。


『可愛い妹残して…どこにもいけないわ…』


世良を見つめニッコリと微笑んだ彼女に、世良の顔はどんどんと笑顔になる。


「ね……！！！姉さぁぁぁぁん！！！」

『うわっと…！！』


世良はAに泣きながら思いっ切り抱きつく。


「姉さん！姉さん！！良がっだよおおぉぉ！！」

『あだだだだだだ！！』

「あ！！ごめん、姉さん…」


世良は慌てて離れるが、手はしっかりと握ったままだった。


『んーーー！！よく寝たぁ…』


Aがふわぁ〜っと呑気にあくびをする姿を見て、先程まで泣いていた世良は少し怒った顔をする。


「もう！！姉さん心配したんだからね！？」

『あ、あはは…ごめんね…？』

「なんであの時飛び出したのさ！！」

『だって、コナン君が危なかったからつい…』

「姉さんったら！！」




暫くして連絡を受けた蘭達や少年探偵団達も病院に到着する。
皆が皆嬉しそうに笑い、蘭と園子も涙を浮かべながら喜んだ。


『あ、コナン君…』

「Aさん…」

『良かった、無事だったんだね！』

「うん…あの！本当に…ごめんなさい…」

『いいのよコナン君。無事で何より！』


珍しく落ち込んでるコナンにニッコリと微笑み、この物語も無事に終わる事ができた。

2、3日で退院したAは、暫く会えなかった人達にもみくちゃにされたのはまた別のお話…


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