異次元の狙撃手14 ページ33
理樹のその言葉にコナンはずっと構えていた腕時計型麻酔銃を降ろした。
「…Aさんに会わないのか?」
『今はまだ時じゃない。』
敵意が無くなった事を感じた理樹は、コナンに背を向け立ち去ろうとする…
「待て!!まだ質問が残ってる!!」
コナンの声に理樹は足を止め、振り返らずに聞き返した。
『…何?』
「まだある!何故俺達の所にいつも現れる!?何か目的があるのか!?」
『はぁ…探偵とはやっかいだ…一つでも謎があれば、それを解かずにはいられない…全く…とても面倒だよ…』
「答えろ!!」
『坊や…言っただろ?』
理樹は頭だけ後ろに向け、コナンを見た。
『「好奇心は自分の首を絞める」…と…知らなくてもいい事を知るには、それなりの犠牲が必要なんだよ…ねえ?』
工藤新一君?
「っ!!!」
最後のところだけ口パクで言ったが、彼にはきっと伝わっているだろう…
それを聞いたコナンは迂闊に手出しが出来なくなり、ギュッと拳を握った。
理樹はその様子にフッと笑いまた歩き出す…
『あぁ、それからあの人…シルバーブレッドにも伝えておいてくれ…「大切なものは、今度こそ死ぬ気で守れ」とね?ま、どうせどっかで聞いているんだろうけどね。』
その時、コナンのポケットに入っていた携帯の向こう側では、小さく息を飲む音がした…
「フッ…全てお見通しという訳か…」
翡翠色の瞳は構えていたライフルから離れ、静かに立ち上がった…
「守ってみせるさ…今度こそ…」
そう呟く声は、誰に聞こえる事なく消えていった…
理樹はそのままビルを出て、車に乗り病院へと向かう。
暗い廊下を静かに歩き、自分の病室にそーっと入った。
そこには世良の姿も無く、安心したように理樹はベッドに近づいた。
『…ただいま。恵ねぇ』
「理樹…!」
呼びかけに目を覚ました恵は安心したように微笑んだ。
恵はベッドから降り、理樹の身体をペタペタと触る。
『なっ!どうしたの??』
「怪我はしてない!?大丈夫なの!?」
『大丈夫だよ!問題なし!今回はずっと見守ってただけだから!』
「そう…なら安心したわ。おかえり!」
『うんっ!』
そう言って二人はギュッと抱き合った。
物語の内容を話しながら、二人はまた元の服に着替える。
「そう…彼らがやってくれたのね。」
『うん。これで一件落着!なんとかなって良かったよ。』
「そうね。ほら、肩出して!包帯巻くから!」
『よろしくお願いいたしまーす!』
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まいまい - この作品めっちゃ面白くて大好きです!しかもこんなに長くてずっと読めてて幸せです!!! (2022年8月4日 16時) (レス) @page1 id: 63e6c52c23 (このIDを非表示/違反報告)
あすき(プロフ) - このシリーズとても面白いです!純黒の悪夢も見てみたいです!これからも頑張ってください!! (2021年3月13日 15時) (レス) id: a838b5fe09 (このIDを非表示/違反報告)
淋 - いやぁ……今回も最高でした!安室に抱き締められる……骨が折れなかっただけマシだと思いたい……しかも話を盛りやがってww抜け目ねーなこいつはww (2020年11月25日 13時) (レス) id: b523bf60c6 (このIDを非表示/違反報告)
恋花雪(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!!しかもこんなに長く更新を続けられるなんて本当尊敬します!!!!これからも体に気をつけて頑張ってください!!!! (2020年11月23日 19時) (レス) id: 1308cc484f (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです!!!これからもがんばってください!!!更新楽しみに待ってます!!! (2020年10月31日 17時) (レス) id: 2cb5bf810d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九実 | 作成日時:2019年7月13日 18時