ただずっといちゃいちゃしてるだけ【黒子のバスケ】

黒子テツヤさんへ。【黒子テツヤ】 ページ25

私は今、怒っている。

不満であるともいう。腹が立っているともいう。

とにかく、私は今、恋人兼私の唯一無二の編集者である黒子テツヤに対して、怒っているのだ。




私と黒子さんの関係は、先ほども述べたようにラブラブの恋人同士。高校生の私と、大学を卒業した大人の黒子さんとの歳の差だったり、お仕事の関係もありで色々とすれ違うことが多かったが、今ではもうすっかりと安定した。

＿＿＿＿と、思っていた。

そう、ちょっと前までは恋人になっても初々しい関係を築きたがる彼にキュンとしたし、
お仕事を大事にする彼も素敵だったから、よしとしていた。


でも、何事にも限度というものがある。



まずはその原因の発端である「お仕事」について少し説明を加えよう。

突然の告白となるが、実は私、これでも新米小説家なのである。
幼稚園児の時から根っからの読書好きからか、小学生の時から小説を書き始め、中学生の時から出版社に投稿し始めた。

何度も何度もアタックしては一次不採用、不採用、不採用、C判定、D判定……と続き、
高校生になってやっと最終選考まで残り、特別賞となったのだ。

そこから黒子さんという編集者が着いて、新米小説家となり、彼と恋に落ちてしまったわけだが……。



小説家と編集者。高校生と社会人という関係だからか、彼は開口すれば「小説小説小説……」と、お仕事の話ばかり。

私より仕事が大事なんですか！？と面倒くさい女の子の台詞ランキング一位に輝くだろうその台詞を納得してしまう。正直、私も彼の襟首をがっしり掴んでその台詞を吐きたいと思ってしまうほどだ。




まぁ、さすがにその言葉を言うほど度胸はないので、違う行動に出たいと思う。






「黒子さん、実は今日〆切の小説のデータ全てなくしてしまったんです」






私のとった行動、それは彼を心の底から困らせること。

にっこりとした笑顔で、お仕事用の鞄をもって来た黒子さんに宣言すると、
彼は水色の目を見開いてキョトンとこちらを見つめた。

とある雑誌に掲載する本日〆切の短編小説のデータ。実はUSBメモリに取っておいてあったりはするけれど、これをなくしてしまったことにして、彼を困らせちゃおう大作戦。



決行です！

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