検索窓
今日:2 hit、昨日:21 hit、合計:162,361 hit

30 ページ30





「…痛い」


次の日、起きて開口一番そう言った無一郎は、寝てる間に手当てされたのか、包帯でぐるぐる巻きになっている己の首に手を当てる。


「う、…ごめんね。なんか、気付いたら無一郎に襲いかかってた…」
「…逃げれば良かったのに」
「うう、…でもね、この前外出たとき、無一郎が一番美味しそうだなって思ったんだよ!」


Aの言葉に喜ぶどころか不満げな表情を浮かべた無一郎は、「…他の誰かの、飲んだの?」Aから視線を逸らす。


「え?飲んでないよ?無一郎のしか飲んだことない!…あ、でも」


そう言って急に黙りこむAに、「分かってるよ」と言葉をかける無一郎は、Aの髪を乱すようにして頭を撫でる。


「わっ、」
「他の人間襲ったりしたら、容赦なくその首狩るからね」
「えっ、じゃあ無一郎のことは、いつでも襲っていいってこと?」


そう言って、甘い匂いを漂わせている無一郎の首筋を包帯の上から舐めたAは、「やっぱり味しないー」と残念そうな声を出す。


「痛いからやめて」
「傷治ったら、また噛んでいい?」
「しばらくやだ。昨日たくさん飲んだでしょ」


そう言われて、昨日は本当にたらふく無一郎の血を飲んでしまったことを思い出して、Aは大人しく「分かった」とうなづく。


「…でも、やっぱり無一郎は優しいね!」
「どこが」
「だって昨日、私が止めなかったらまだ飲ませてくれたってことでしょ?」


本当にその通りなのか、無言で目を細める無一郎に「ね、やっぱり無一郎は優しい!」とAは勢いよく抱きつく。


「…痛い」
「ふふ、ごめん!」


そっけない言葉とは裏腹に優しく抱きしめ返してくれる無一郎に、Aは嬉しそうな笑い声をもらした。

31→←29



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (226 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
455人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

チーズ(プロフ) - alice roseさん» コメントありがとうございます!そして嬉しいお言葉までありがとうございます!!これからも沢山ニヤニヤしていただけるように頑張ります!(笑)よろしくお願いしますm(__)m (2020年11月5日 18時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
alice rose - 控えめに言って最高です!いつもニヤニヤしながら読んでいます、これからも無理せず頑張って下さい!応援しています(≧∀≦) (2020年11月3日 21時) (レス) id: a666e6cc6f (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - まいまいさん» コメントありがとうございます!最高すぎるだなんて、嬉しいです!ちょうど更新しましたー!これからもよろしくお願いしますm(__)m (2020年11月3日 19時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい - 最高すぎます!!更新まってます! (2020年11月3日 19時) (レス) id: 194af2ccd7 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - ????なしさん» コメントありがとうございます!神!?なんと有難いお言葉、、!!頑張って書きますので、これからもよろしくお願いしますm(__)m (2020年11月2日 20時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:チーズ | 作成日時:2020年10月20日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。