第三十八話 合宿初日の夜 ページ41
「ーーはい、終了」
先生のかけ声と共に右手に握ったペンを筆箱の中へ仕舞った。
ふと視線を窓の外にやると、空は夜の黒と夕暮れの橙が混じった黄昏色をしているのが見えた。
「プリントを裏にして回してください」
「ちょ…ちょっとボク夜風にあたってくる」
頭から湯気が出るほどテストにやられたか。
燐の一人称が俺からボクに変わった。
部屋を出ていく足取りはとてもふらついている。
左であぐらをかいていた勝呂がその背中に「おう、冷やしてこい」と言葉を投げかけた。
「今日はここまで。明日は6時起床。登校するまでの一時間、答案の質疑応答やります」
「…………鬼だ、鬼」
奥村先生の発言に部屋を出る直前でピタッと立ち止まった燐がこちらを振り向きざま呟いた。
「ははは……ぁあー〜、疲れた」
「西賀さんもお疲れ様やね。プリント集めよか」
「頼む子猫ちゃん」
勝呂の前にプリントをスライドさせ、それを勝呂の隣に正座していた子猫ちゃんが受け取った。
「朴、お風呂入りにいこっ」
「うん……」
すくっと立ち上がった神木さんが部屋に持ち込んでいた、たぶんお風呂セットが入った手提げバックを片手に朴ちゃんを誘った。
「お風呂！私も！」
ふわっとした金髪の上に使い魔の二ーちゃんを乗せたしえみが元気よく立ち上がり、部屋から女子が三人消えた。
「……うはは。女子風呂か〜ええな〜。こら覗いとかなあかんのやないんですかね、合宿ってそういうお楽しみ付きもんでしょ」
にへらとしと笑みを浮かべて志摩くんが言い、そこへすかさず勝呂が仮にも坊主やろとツッコミを入れるが、流石煩悩に塗れた坊主。
全く意に介さず子猫ちゃんを呆れさせた。
「一応、ここに教師がいるのをお忘れなく」
一同沈黙。少ししてこの沈黙を破ったのは志摩くんだった。
「教師いうたってアンタ結局高一やろ？ムリしなはんな？」
奥村先生の肩をパン、と叩いた。
「僕は無謀な冒険はしない主義なんで」
叩かれた反動でズレた眼鏡を元の位置に戻しながら奥村先生はそう宣言した。
「HAHA！説得ダメだったな志摩くん」
「若せんせぇ鉄壁すぎるわ……」
(いやアレは普通だと思うぞ)
(奥村先生の反応はフツーや思うぞ)
(左に同じです)
(Aちゃん！坊！子猫さんまで！二人のオトコは一体どこいってしもうたんや!?)
(煩悩坊主だ)
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猫叉(プロフ) - 空さん» はい(*´ω`)ゞ応援ありがとうございます((o(｡>ω<｡)o)) (2020年6月4日 21時) (
レス) id: 6d40387773 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - 猫叉さん» いえいえ。むしろお節介すみません！これからも応援していますので、頑張ってください！ (2020年6月4日 21時) (レス) id: d888a76c5d (このIDを非表示/違反報告)
猫叉(プロフ) - 空さん» ハッ、ホントだ！！あちゃー(´∩ω∩//｀)早速修正してきます(照)ご指摘ありがとうございました！更新頑張ります♪ (2020年6月4日 20時) (レス) id: 6d40387773 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - いつも更新楽しみに読んでます！ちょっと気になっちゃったので、言わせていただきます。30万の3%は30万×0.03なので、九千円なので、30万9000円の給料になります… (2020年6月4日 20時) (レス) id: d888a76c5d (このIDを非表示/違反報告)
猫叉(プロフ) - そう言って下さると作者のやる気が凄く出ます（笑）閲覧ありがとうございましたっ！例え読んで下さる方が少なくても書き上げてみせます！ (2020年5月29日 21時) (レス) id: 6d40387773 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫叉 | 作成日時：2020年5月26日 8時
