第三十六話 爆発の原因解明 ページ39
「ーーそれは」
開いた口から続きの言葉が発されるのを待った。
「………？」
「………おそらく、多量の血で魔法円の一部が滲んだんだろう。それで正確に悪魔が召喚されず、破った際に反動で引き起こされた現象だ。偶にある」
暫く沈黙してからネイガウス先生は語った。
ほうーー、そんな現象が起こり得るのか。
「なるほど」
確かに血は沢山出ていた。
沢山血を使うのもいけないということか。
滲んで正確性が薄れ、爆発……フーム。
「ーーあ、それじゃ！逆にそれさえなければ私も悪魔を召喚できていたって事ですかね」
ハッ、と気づいたことを先生に訊ねた。
「ああ」
思った通りの返事が返ってき、
「わぁ！では次の授業でもう一回チャレンジしてみます」
次はきっと成功するだろう。
勇気を出して先生に聞いてよかった。
どんな悪魔が来てくれるカナ。
どんな悪魔でもいい。
未知の生き物で、知能も高く、是非とも一緒に日常を過ごしてみたい。
「………フフ」
頭の中で想像していると思わず笑みが溢れた。そこへいつもと何ら変わりない表情のままネイガウス先生が、
「西賀」
「ハイ、何でしょう」
想像の世界から三次元の世界へ逆戻りし、先生の方へ上半身を軽くひねった。
「……長く魔法円の担当講師をしている私が判断するに、お前の体質はどうも手騎士向きではないらしい」
「えっ!?」
驚いて自分の耳を疑ったが、先生は至って普段通りの態度だった。
私はそれはなぜかと聞いた。
「あれはあそこまで爆発的に発生することはない。魔法円の滲みの他に原因を考えるとそれは召喚者の体質にある」
「体質、ですか」
「ああ。お前は確かに手騎士としての素質はある。が、悪魔を召喚するのは困難なようだ。紙以外の召喚方法も同じ結末になるだろう」
「Ah……それじゃ、他の皆を爆発に巻き込むかも知れないって事ですね」
「その通りだ」
ズバッと発言された。まあ、変に遠回しに言われるよりいいか。
ンー、ーーネイガウス先生にここまで言われたとなると私の手騎士取得の道は……マジか。
「フム……」
「腕の様子を見よう」
「あっ、はい」
先生の無骨な手が私の腕を取り、
第三十七話 噂のお化け屋敷寮→←第三十五話 医務室＋私と眼帯先生
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 109人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
猫叉(プロフ) - 空さん» はい(*´ω`)ゞ応援ありがとうございます((o(｡>ω<｡)o)) (2020年6月4日 21時) (
レス) id: 6d40387773 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - 猫叉さん» いえいえ。むしろお節介すみません！これからも応援していますので、頑張ってください！ (2020年6月4日 21時) (レス) id: d888a76c5d (このIDを非表示/違反報告)
猫叉(プロフ) - 空さん» ハッ、ホントだ！！あちゃー(´∩ω∩//｀)早速修正してきます(照)ご指摘ありがとうございました！更新頑張ります♪ (2020年6月4日 20時) (レス) id: 6d40387773 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - いつも更新楽しみに読んでます！ちょっと気になっちゃったので、言わせていただきます。30万の3%は30万×0.03なので、九千円なので、30万9000円の給料になります… (2020年6月4日 20時) (レス) id: d888a76c5d (このIDを非表示/違反報告)
猫叉(プロフ) - そう言って下さると作者のやる気が凄く出ます（笑）閲覧ありがとうございましたっ！例え読んで下さる方が少なくても書き上げてみせます！ (2020年5月29日 21時) (レス) id: 6d40387773 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：猫叉 | 作成日時：2020年5月26日 8時
