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「ちょっとアンタ歩ける？」
「…ん」
「今マンション前、降りるよ」
肩をぽんぽん、と雑に叩かれ、私は夢からふと目が覚めた。
あんまり憶えてないけど、心地よい夢だったから、夢から醒めて残念って気持ちがあって不機嫌な気分。
「ホラ、はやく」
まだ夢に浸かったまま動き出さない私の腕を、またもや雑に引っ張り出したのは二宮さん。
強引に引っ張られて、逆らうことなくそのまま身を預けたら
冷たい風が頬を撫でて、俯かせていた視線を上げると、見慣れたマンションの前にいた。
「ホント迷惑かけてんね、酔っぱらいオネーサン」
どうやら私は二宮さんに連れられてタクシーでマンションまで帰ったようだ。
その状況を把握すると、また朝みたいにゾッとした。
私・・・やらかしすぎてる。最悪だ。
やばい、お酒の力、こわい、やばい。
「そんなやらかしたって顔してもさ、しょーがないよ？」
「・・・げ」
見透かされてる・・・？
「翔さんすごい心配してたよアンタのこと」
「・・・ハッ！」
「分かりやすいねAさん(笑)」
やっぱりエスパー？…なわけないよね。
それはどうであれ、櫻井くんに明日謝らなきゃ。
結局あのまま私・・・
やっぱり、絶対に！今日だけはお誘い断るべきだった。
じゃなきゃ彼にも、
「今日、一緒に寝てあげよっか？」
こうして会わなかったのに。
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作者名：妃紀
| 作成日時：2017年12月22日 18時
