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「Aさんさっきも翔さんの飲んでたよ？」
「え？マジ？ちょっとそれ早く言えよ和也！」
「いやだってさ、翔さんとデキてんのかと思ってさ」
「ちょっとそんなこと言うのやめてくれますか？」
クラクラする視界に、ふっと鼻で笑った二宮さんの顔が映る。
また変なことを口走る彼に、不快感が増す。
「和也！先輩にそんな冗談言うなって！」
「まあまあそんな怒んなよ」
二宮さんは何食わぬ顔でジョッキを持ち上げ、残っていたビールをゴクッと飲み干し
「翔さん、ビール頼む？あ、翔さんは焼酎が好きだよね？」
アルコールがぐるんと回ると共にペースを徐々に乱す。
「ああ、焼酎で」
「おっけー、頼むね。他になんか食う？」
その空気に思わずドキッとする。これは・・・お酒の力？
「じゃあ、アクアパッツァ」
「シャレてんな(笑)」
櫻井くんは、本当にこの人とお友達なの？
全然噛み合いそうにない。タイプも性格も違う。共通点もなさそう。
そんな疑問が頭の片隅でふと思い浮かんでくる。
私、この人苦手だ・・・
片隅に浮かんだわだかまりが大きくなって、次第にふつふつと溜まっていた不快な気持ちが湧き出てきた。
瞬間のこと
「Aさんは何か食べたいのあり…えっ、あ、ちょっとAさん？！」
櫻井くんの声が遠ざかっていき、あり得ないほどの眠気がグンと襲って
意識がふわふわと遠ざかり、ふっと笑ったその顔が綺麗に見えなくなった。
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作者名：妃紀
| 作成日時：2017年12月22日 18時
