薄桜鬼 涙は伸ばした手をすり抜けて〜貴方に触れたくて〜

第14話:居場所 ページ15

千鶴)Aさん？何してるんですか？

A)…外見てるだけだよ。

何もないけれど、外を見るのは好きだ。

千鶴)…私はここに居たら邪魔ですか…？

A)邪魔じゃないよ…もともとこの部屋の住人は君だ。邪魔なのはどちらかと言うと私だ。

千鶴)Aさんは邪魔じゃありません。

そんなのどちらでも良いのだけれど。
別に邪魔と言われても何も変わらない。

A)ふーん…

原田)おい、千鶴。今から巡察だけどどうするんだ？

千鶴)…今日は遠慮しときます…すみません。

原田)…無茶すんなよ。

千鶴)はい。

何もさせてあげてない癖に、無茶すんなよってなんだ。
この子に雑用ばかりさせてるのはお前らなのに。
そう思ったのは私だけの秘密。

そして原田さんは出ていった。

千鶴)…Aさんは此処を居心地の悪い場所だって思ってますよね…

A)そうだよ？何か悪い？此処は居心地が悪くて私は嫌いだ。

千鶴)最初そう思った私でも、今では此処が大好きなんです。だからきっとAさんも。

A)絶対にないよ、そんなこと。

だって、私にとって一番の場所は…
絶対に此処にはならない。


私は絶対自分の『居場所』を変えてりなんかしない…

第15話:音色→←第13話:居心地の

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す