私のアダ名は『黒井さん』【黒バス】

黒…1 ページ3

______…


(Aside)




「はいこれ！フランスからのお土産！」






旅行から帰ってきた両親。




行き先はフランスだったらしく、お土産は綺麗なエッフェル塔のキーホルダー。







「わぁ、可愛い！」



「………ありがとう、母さん」







嬉しそうに大きな声を出して、早速カバンに付けているのが姉のさつき。




母さんに礼を言っている小さな声が私、A。








「いいのよいいのよ！それにしても…ホントさつきはピンクが似合うわね〜！」




「えへへ、ありがとう！」









頬を赤らめるさつき。




そんな姉を見ると胸が苦しくなる、心が痛む。




今日は木曜日。




私はカバンを持ち、ローファーをトントンと丁寧に履く。









「先に行くね」



「え！？わ、私も一緒に…！」



「いいよ、どうせ途中から一緒じゃなくなるんだし。私、急いでるから」



「そ、っか……」









扉を開いて、手袋を身につける。





すっかりに冷え込んでしまった、もう12月。





もうすぐクリスマスだってのに、





私の心は何もトキめかない。





ハァ…と白いため息を出し、私はあるところへ向かう為、






駆け足で向かった。

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