【あんスタ】みえないくさり(2)【朔間零】

3 ページ3

『最近忙しそうだよね、零さん。




奏汰さんといいこのお店といい、




ここ最近よく出掛けるけど、何かあるの？』




名目上は私と彼らを顔合わせさせるためらしい
が、




その際必ず、零さんは難しい顔で彼らと話し込んでいる。




どう考えても零さん達の話が真の目的だろう。




はっきりと、知りたいと本音をぶつければ、




彼は目を見張った。




「…本当に知らないのかや？」




「……貴方の口から聞きたいの」




自分でもわがままだと思う。




誰よりも知っているくせに、




誰よりも辛い立場の彼に、




説明を求めるなんて。




でも。




彼がこれに答えてくれなければ、




私は彼を信じることはできない。




零さんも何かを感じたのか、




やれやれ、といった様子で口を開いた。




「誰に聞かれておるか分からぬから、




あまり言いたくないんじゃけども……




……実は、我輩は………っ!?」




肝心な言葉が彼の口から聞けることはなかった。




爆音によって掻き消された為だ。




『なっ………!!??何事!?』




「店側だ、お主はそこで待っておれ!!」




『ちょっと零さん!!!!




…うわあっ!!!??また爆発!!??』




零さんが店側へ姿を消した瞬間、




店と書庫を隔てる壁が、




二度目の爆音とともに文字通り木っ端微塵になった。




爆発…いや違う、これは、




「御用改めである!!」




「──封印指定の無許可取引は重罪だ。




承知の上での行為か、逆先?」




「ハッ、




……流石、皇帝様の番犬は随分と鼻が利くらしイ。」




『…皇帝直属の特殊精鋭部隊、『紅月』………!!』

4→←2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す