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「そんな！」
悲痛な嘆きの声が、大広間に響いた。
ユリである。
彼女はたったいま、ダンブルドアに紹介されたスラグホーンが、「魔法薬学」の担当をすると聞いて、思わず大きな声でそう言ってしまったのだった。
ユリは、ダンブルドアを見て、スラグホーンを見て、そしてスネイプを見た。
スラグホーンはユリをびっくりして見つめ、スネイプは眉一つ動かさずに前を見据えたままだ。
ダンブルドアはユリににっこりと笑いかけ、さらに不審そうなガヤガヤ声に搔き消されないよう、声を上げて言った。
「ところでスネイプ先生は、『闇の魔術に対する防衛術』の後任の教師となられる」
「そんな！」
今度は、ハリーだった。
あまりに大きい声を出したので、多くの人がハリーのほうを見たが、カンカンになったハリーは意に介していないようだった。
対してユリは困惑したまま、パチパチと小さく拍手をした。
スネイプの着任に対して拍手をしているのは、スリザリンの生徒たちとユリだけだった。
次の日の一限終わり。
といっても、一限があるのは四人の中ではハーマイオニーだけだったので、三人は彼女と、四階下の「闇の魔術に対する防衛術」の教室前で合流した。
「ルーン文字で宿題をいっぱい出されたの」
三人がそばに行くと、ハーマイオニーが不安げに言った。
「エッセイを四十センチ、翻訳が二つ、それにこれだけの本を水曜日までに読まなくちゃならないのよ！」
「ご愁傷様」
ロンが欠伸をした。
「見てらっしゃい、スネイプもきっと山ほど出すわよ」
その言葉が終わらないうちに教室のドアが開き、スネイプがいつも通りの土気色の顔で、廊下に出てきた。
行列がたちまち、しーんとなった。
「中へ」
スネイプが言った。
ユリはすれ違いざまちょっと恨めしげにスネイプを見あげる。
視線がパチ、と合うが、ユリの気持ちが伝わったかは、わからなかった。
去年一年個別授業を受けられなかったから、今年こそはと思っていたのに。
まさかあの、スネイプが髪を解いてくれたあれが最後になるなんて思ってもみなかった。
ユリはちょっとむすくれて席に着く。
先生が就きたい授業に就けたのはいいことだけれど。
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岡Ｐ(プロフ) - お話とても面白かったです。この先どうなるのか更新楽しみにしています。 (10月31日 22時) (
レス) @page44 id: e3d27a2b53 (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - すごく面白くて最高です！応援しています！ (9月28日 1時) (レス) @page43 id: cb75ec721c (このIDを非表示/違反報告)
アミ - この小説を1話読む度に、主人公が感じるドキドキ、喜び、切なさ、愛おしさ、全てが臨場感をもって伝わってきて、満ち足りた気持ちになります。あなたの小説に出会えてよかった、そう思える作品でした。続きを読むのをとてもとても楽しみにしています。ご自愛ください。 (8月30日 19時) (レス) id: 2340b31398 (このIDを非表示/違反報告)
ｴﾇｴﾇ - 最高です！！！！とても面白く、素晴らしい作品だと思いました。ダンブルドアが亡くなったのは６月で、夢主ちゃんのお父さんとの別れは８月前ということはもうそろそろ……？？と思いどうなるのか気になってます。続き楽しみに待ってます〜！！！ (7月26日 16時) (レス) id: cc01457125 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜(プロフ) - 今まで読んだ作品の中で1番好きです。更新楽しみにしてます。素敵な出会いをありがとう。 (7月25日 2時) (レス) @page43 id: c7131ab9ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みや。 | 作成日時：2023年4月5日 4時
