死ぬまでにやりたい事。 (ページ4)

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４.嬉しいのか、嬉しくないのかなんて……？ページ4

次の日。自分のクラスの教室に入ると周りからの好奇の目。

憂鬱な気分になる。大方、予想はついている。
どうせ、昨日僕と彼女が一緒に喫茶店に入っていくところを見た奴がいて、言いふらしたんだろう。

「……はぁ」

深い、深いため息を着く。

僕は結構地味で大人しいので普段多くの視線に囲まれる事なく過ごしている。

その為、長い時間目を向けられるのは迷惑ですごくストレスだ。

… っとそんなところに

「おっはよー！」

彼女が入ってきた。

あぁ、今だけは彼女に感謝しよう。
なぜなら、僕に向けられていた視線が一気に彼女に向いたからだ。

ドドッ…っとクラスメイトが彼女の方に波のように押し寄せる。

ものすごい勢いで彼女は囲まれた。

「ん？」

彼女はすごく驚いた顔をして不思議そうな声を出した。

まぁ当然だ。いきなりたくさんの人が駆け寄ってきて驚かない人間などいないはずだ。

「ねぇ！A！！坂口君と喫茶店に行ったってほんとっ！？」

「え？うん。そうだけど…」

彼女は隠そうともせず言った。

嗚呼、何かが崩れ堕ちた。

視線が僕の方を向く。

けれど、僕は目を向けず本を開いた。

「え？Aって坂口君と仲良かったけ？」

彼女はにっこり笑って言った。

「そうだよ！仲良しっ！！」

にししっと笑って彼女は言う。この状況はすごく僕にとって都合が悪い。

できれば、この教室から逃げ出したいぐらいだった。

でも、僕はちょっぴり嬉しかったのかもしれない。

心がすこーしだけ暖かくなった気がした。

ほんの、ほんの少しだけ。