3.自分じゃなくなるってどういうことなんだろう ページ3
「ねぇ、もう帰らない?」
もう、外はオレンジ色になってきた。
なかなか、彼女が帰ろうとしないので僕が言う。
彼女もあっ、とした表情になって「そうだね」という。
そして席を立ち、レジに向かった。
支払いは僕がしようとしていたけれど彼女がダメダメとうるさいのでひとまず払ってもらい店を出た。
「ねぇ、本当に良かったの?払ってもらったけど」
「いいの、いいの」
「でもさ… 」
「本当にいいの。私に付き合ってもらっただけで君は乗り気じゃなかったし」
…それはそうだが…………。
「………」
「申し訳ないじゃない。私が我儘言って君は私の彼氏になってくれた。なのに払わせるなんて最低でしょ?」
そういわれると何も言えなくなる。
事実だからだ。
彼女が我儘を言ったから僕は彼女の彼氏になった。
でも、仮にも女子に払わせるのは気が引ける。
「絶対に今度は僕が払うから」
僕がそう言うと。
「別にいいってー。
あ、だけど次あるんだ!!
今日本当に嫌そうだったから今度誘った時は一緒に行ってくれないかと思ってた」
あーあ。
やってしまった。
自ら地獄に足を踏み入れるようなものだ。
自ら約束を取り付けたようなものだ。
…僕は彼女といると
自分じゃなくなる。
自分じゃなくなってしまうんだ。
4.嬉しいのか、嬉しくないのかなんて……?→←2.目の前に座っている彼女は本当に死ぬのか
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:レイ | 作成日時:2017年3月12日 17時