5.臆病者で弱虫な僕には足りないもの ページ5
その日の昼休みのこと。
「もう……ごめんっていってんじゃん!」
彼女は不機嫌そうな顔で言った。
僕の方が不機嫌なんだが。
「何で、仲良しなんて言ったの」
「だって本当の事だし」
そっぽを向いた彼女の顔は相変わらず不機嫌そうで、弱虫な僕は少し怖気付いた。
「いや。分かった。仮に君と僕が仲良しだとして、もうちょっと僕の事を考えてくれてもいいんじゃないのか?」
僕がそういうと彼女は不思議そうな顔をする。
「そもそも、なんで怒られてんのか分かんない」
何をいっても、察してくれない彼女にイライラする。
「だから、僕は君みたいな明るくて人気者じゃないんだ。つまり、僕と君は間逆だ。そんな僕と君が一緒にいたら、どうする?可笑しくないか?」
「別に、何にも可笑しくない。私が誰といようが、他の子には関係ないし、周りの事なんてそんな気にしなくていいじゃない。何をいようが関係ない。自分の生きたいように生きなきゃ」
「………」
彼女には、何を言っても意味がない。そう思って、僕は口を閉じた。
……いや、やっぱり違う。
僕が、口を閉じたのは彼女の言ったことが全て正論だったからだ。
正しい事だったから、何も言えなくなった。
僕だって、そんなに頭が悪いわけじゃない
分かってるんだ。
彼女のいう事の方が正しくて、僕は正しくないって事。
彼女は、僕にはないものをたくさん持ってるって事。
そんな事を考えていると………。
6.どの意見が、考え方が正しいかなんて誰にも分かんない→←4.嬉しいのか、嬉しくないのかなんて……?
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作者名:レイ | 作成日時:2017年3月12日 17時