9.男女の友情は成立するのかしないのか ページ9
それから、店を出てそのまま家に帰ることになった。住んでいる場所は、彼女とは逆方向だから、一緒に帰るわけではない。
それに僕は、彼女を送るほど紳士な男ではない。
だが、駅までは一緒に歩く。
………、話す話題もないので会話もなく歩いていると、突然彼女は喋り出した。
「ねぇ、坂口君は男女の友情は成立すると思う?」
…ん?質問の意図がわからなかった。なんで、そんな事を僕に聞くんだ?
「なんで、そんな事を聞くのか教えて」
「質問を質問で返さないで!そんなの何でも良いから答えてよ!」
うるっさいなぁ、怒りっぽい人は苦手だ。
彼女の言葉に全然納得なんてしなかったけど、これ以上聞くと色々面倒くさそうだから答えることにする。
「成立すると僕は思うよ。今は、友達なんていないけど、小学校の時なんて男女関係なく、結構遊んでたし」
思ったことをただつらつらと並べた。
「でも、それって低学年の時とかじゃない?」
まぁ、確かに。
「確かに、高学年とかになると、同性同士とかでしかあまり遊ばなかったけど、少なくとも、女子で友達と呼べる人は数人いたよ。恋愛感情とかなしで、趣味が合う人とか。人として、尊敬する人とか」
そう、僕がいうと
彼女は突然ニヤニヤとしだした。
「その話し方だと、今までに好きな人がいたってことにならない?」
そして、そう言った。
「別に、今まで好きになった人がいないなんて一言も言ってないよ」
僕はそう答えた。
「へぇ、案外素直じゃん」
そう彼女が言った時に僕はふと、思った。
男女の友情は成立するか?
って、いう話をしていたのに、全く違う話になってないか?
と……
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作者名:レイ | 作成日時:2017年3月12日 17時