5.sphinx ページ6
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学園に通い始めて五日目、今日は初めて一年生が部活動に参加する日である。
と言っても大半のやつはまだ見学みたいだ。
俺やリドル、ジャミルのように入学したばかりで既に部活を決めているやつは少ないらしい。
『うわ〜馬かわいいな』
「フフッ、Aは馬が好きなんだね」
『好き好き、俺けっこう動物好きよ』
先輩に挨拶を済ませた俺達の目の前には数頭の馬が。
『俺の相棒はお前か。よろしくな、スフィンクス』
「スフィンクス!?その馬の名前かい!?!?」
『え、そうだけど。リドルの馬も俺が命名してあげよっか?』
「絶対にやめてくれ!!!」
スフィンクスに哀れみの目を向けるリドル。
失礼なやつだな。
俺の髪をモシャモシャと食べているスフィンクスに人参を食べさせる。おい髪の毛ベタベタじゃねえか…
『つか俺馬とかちっちゃい頃に一回乗ったことあるだけだけど大丈夫?』
「大丈夫、僕も初心者だよ」
『え、そうなん?リドルめっちゃ馬乗り回してそうなイメージ…』
「どんなイメージだい…」
そんな心配もあったが、俺達は案外筋が良いらしく初めてにしては上出来だと言われた。
『いや〜、ありがとなシルバー。お前の教え方すげぇ分かりやすかった』
「ああ、とても勉強になったよ。ありがとう」
「なら良かった…俺もお前達の飲み込みが早くて驚いた」
そう話すシルバーは馬を撫でながら眠そうにしている。
聞くところによると、すぐに眠ってしまう癖があるらしい。どんな癖だよ!というツッコミは心の中にしまっておいた。
「おっと、もうこんな時間か…僕はそろそろ寮へ帰るとするよ」
「ああ、俺もマレウス様の護衛があるからな…すぐに帰らねばならない」
『おーじゃあ俺も帰るわ。夕飯も作んねーとだし』
そう言うとびっくりした顔で俺を見るリドル。
………お前なんか失礼なこと考えてるだろ。
『……なんだよ』
「いや、君が料理するのが少し、いやかなり意外でね…」
『なんで言い直した???』
俺の両親は二人とも帰りが遅いため、自然と料理をするようになったのだ。エレメンタリースクールの頃から作っているので腕にはまあまあ自信がある。
『今度暇な時にでも食べに来いよ。俺の料理けっこう美味いよ?』
「!………うん、是非」
そう言って笑ったリドルの顔はとても嬉しそうだった。
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明理(プロフ) - ねぇ続きッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!ってなりました('-' )スンッ更新待ってます!! (2022年5月22日 18時) (レス) @page11 id: 0be17a4bd3 (このIDを非表示/違反報告)
にこ柚子(プロフ) - 動かない点Pさん» 嬉しいです〜!!これからも更新頑張ります…!! (2021年5月4日 23時) (レス) id: b0fec9ac44 (このIDを非表示/違反報告)
にこ柚子(プロフ) - ソーダ錫さん» わああ嬉しいお言葉ありがとうございます…!応援とても力になります! (2021年5月4日 23時) (レス) id: b0fec9ac44 (このIDを非表示/違反報告)
動かない点P - こういう話待ってました!ありがとうございます…! (2021年5月4日 2時) (レス) id: b1d96eb9b0 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ錫(プロフ) - 面白い。好き。応援してます。 (2021年5月3日 20時) (レス) id: 10b66fbb96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にこ柚子 | 作成日時:2021年4月11日 3時