よし、番外編へ行こう。と思った今日この頃。【文スト】 参。

たかが幼稚園児、されど・無気力ラブ様リクエスト ページ25

IF話。


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「どうしよ」

『いやちょっと自分にも判らない』



目の前で(現在地は公園)ベンチに座り込み、絶望しきった表情でそう云う青年。私と同い年で、顔はまあ何となく気弱そうな印象を受ける感じだ。可もなく不可もなく、といった処か。




……結論から申し上げれば、コイツ実は昔の初恋のお相手だ。




お前に恋なんて感情があったのか、と現在戦慄中の読者様。えぇありましたありましたとも。まぁ幼稚園児時代ですが。むしろコイツが私の顔を覚えていたこと自体がびっくりである、突如として私に話しかけて来た青年に回し蹴りをお見舞いしなくて良かったと本気で安堵している。

訳が判らないんだけど、と前置きした彼が話してくれた。どうやら普通に高校行っててお昼休みだったらしいんだが、気づいたらこの横浜にいたという。まああんたが知ってる横浜じゃないんだけどね、と云ったらもっとややこしくなると思うので止めた。


いやー、マジでガキの頃の初恋相手とこんな形で再会するとは思わなかったわ。ちなみに告白などはしていない。ガキの頃からチキンだったもので。

勿論彼は私のことなど覚えていないと思ってたし、それに実際私が忘れていたので、まぁ取り敢えず彼がマフィアとかの取引現場を見なくて済んで良かったと思う。此処ではんなこと日常茶飯事レベルだかんな。



「携帯は鞄の中に入れてあるからさ、友達とも連絡が取れないんだ……、凪は持ってないかな、携帯」

『ん。ごめん無い』

「そっかぁ〜〜……、ほんとどうやって帰ろ」



しょぼん、とした様子であからさまに落ち込む彼に、私の昔の恋心が若干疼いた。何処好きになったんだろと思うレベルで萎えていたのだけれど、こうしてみるとやはり……、その、あれか。うん。



『じゃあ取り敢えず、探偵社に行く？』

「えっ……？ 探偵社ってな」

『え？』



振り向いたそこに彼はいませんでした。


……いやマジでそういう唐突に消えるの止めろよな！ な！




「ちょぉーっと凪ちゃんさっきすごい楽しそうに笑ってたの何あれ！？ 誰あれ！？ まさか彼氏！？」


『ああ。初恋っす』


「ぶふぉ」「ごふっ」

「ちょっと待って下さいそれ以上の話は外で！ 事務員さん達が娘が彼氏を連れてきたぐらいに驚いて戦闘不能です！」

『いや戦闘するんですか』

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