『Moonlit night』 5 ページ25
Aは総帥の顔なんか二度と見たくなかった。
影山が今までAを試合に連れて行かなかったのはまだ使い物になるから、その前にこういう試合を見てやめたらもったいないからという理由だった。
雷門中との試合をAに見せたのは恐らく怖がらせようとしたからだろう。
帝国サッカー部に圧倒されろと、もっと服従しろと…
幼なじみがぼろぼろにやられるのを見て、震えることを願っただろう。
しかし影山さえ知らなかったのは、Aは少なくとも20年は生きてきた、大人と同様の意識を持っていたということだった。
自分のトレーニングのせいだという罪悪感からAは帝国サッカー部マネージャーを辞め、帝国中から雷門中の転校を決めた。
幼なじみに伝えるために書いたトレーニングノートだったから、雷門の守に渡すつもりだった。
先生との転校の手続きを踏んで学校を歩いて出ると、Aから電話がかかってきた。
"もしもし"
電話の内容を聞いたAは自分の手が震えるのを感じた。 スピーカーで聞こえるのが本当なのか疑った。 信じたくなかった。
"Aさん、で合ってますか"
"はい、そうですけど…。どうかしたんですか?"
"それが…"
母親が事故に遭いました。
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作者名:バナナ牛乳 | 作成日時:2020年4月2日 1時