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『……!?…な、…にこれ…?!』
目を疑う光景
レンガと木造りの建物がぐちゃぐちゃに混じり天に届く高いビルもなく行き交う人も着物や洋服と言ってしまって悪いが何もかもが時代遅れだ
残業、低所得、現代社会の家畜がついに壊れ幻覚を見せているのだろうか
まるでここは
半髪頭をたたいてみれば、因循姑息な音がする。総髪頭をたたいてみれば、王政復古の音がする。ざんぎり頭を叩いてみれば、文明開化の音がする。
昔の日本人の残した言葉のような風景
「さ、こちらです」
『あっハイ…!』
意識を戻し2人の後ろを歩く
たちの悪い夢なのだろうか
東京からいきなり札幌にいて町並みも自分の知る札幌とは程遠い
「どうぞお上がりください」
案内された場所は古き良き日本の宿屋
のれんをくぐり中へ
その背後で誰かが見ているとも知らず
「……」
「……」
奥に進むにつれ髪を結った着物の女たちと目が合うが不穏な空気に目をそらす
「ねぇ。次はいつ来てくれるんだい?」
男の腕に絡めて離さない女
「………」
キセルというものをふかして威圧的な者
「うふふふ…あっ…、」
「〜〜〜!」
先程の違うガラリと変わった空間に嫌な汗が垂れた
『あの…』
「さ、つきましたよ」
『!』
「ごゆっくり」
『あ〜〜…はい…』
小柄な男は最後まで無口だった大柄の男を連れてさらに奥へ
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