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夏休みに稼げる分稼ごうとバイトをいくつかいれたのが間違いだった。
「……流石にこれはキツイよね」
目の前のカレンダーを見ながらポツリと呟く。
どの日付を見ても赤いペンで予定が1つずつ書かれていて。
「…仕方ない」と私は携帯を手にした。
流石にこれは私の体が壊れてしまうからね。
「はい、失礼します」
受話器の前でもペコペコと頭を下げまくる。
誰も見てないのにそんなことをしてしまう私は、きっと彼に負けないくらい馬鹿だ。
黒いマーカーを持ってカレンダーの前に立つ。
キュッキュッと音を鳴らしながら、1つ1つ予定を消していった。
「……買い物に行こう」
ふと今日の夕飯、というかこれからの私のご飯のための食材をいろいろ切らしていたのを思い出した。
鞄に鍵や携帯、財布など必要最低限のものを詰め込んで、エコバッグも入れて家を出る。
「……Aか?」
「…あ、カラ松くん」
家の鍵を閉めてスーパーに向かって歩き始めたのとほぼ同時に、後ろから声が掛かって振り返る。
そこにいたのは赤い松Tシャツ姿の彼ではなく、青の松Tシャツを着た彼そっくりの人が立っていて。
弟のカラ松くんだと瞬時にわかった。
「フッ、学校以外でも会ってしまうなんて……これはきっとなにかの運m「違うと思うよ」ア、ハイ。」
「……相変わらずイタいね、カラ松くんは。」
「い、イタい??」
「そういえばおそ松にも同じことを言われたな…」とボソボソなにかを言うカラ松くん。
なんとなくだけど、これ多分“イタい”の意味わかってないな…
「…そんなことより、こんなところで何してたの?」
「……ん?ああ、暇だったから少し散歩をしていた」
「あの公園を通り過ぎてまでここに来た理由は?」
「……………フッ、やはり、Aには敵わないな」
時々私も気分転換でその公園に行くことがある。その時、たまにそこでカラ松くんが歩いているのを見かけることがあった。
それを言えば、いつもとは違う優しい笑顔を見せながらそう言ったカラ松くん。
普通にしてれば絶対モテるのになぁ。
なんてことはあのイタいところがカラ松くんにとってはカッコイイとか思ってるだろうから、敢えて言わないでおく。
これでも何気、カラ松くんの隠れファンとかいるくらいだから。
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れな(プロフ) - しっぽうさぎさん» 素敵な感想ありがとうございます!とっても嬉しいお言葉ばかりで…書き手冥利に尽きます´ `* これからもまったり更新ですが最後までよろしくお願いします!高校時代はまだ公式さんから何も言われてなかったので、自由に想像しながら書けてたんですけど…焦ってます;; (2019年2月16日 9時) (レス) id: f22e3e55d7 (このIDを非表示/違反報告)
しっぽうさぎ - 読み始めた瞬間『あ、この作品好きだ。』と感じました。久々の感覚と、久々に好みな作品を見つけられて最高に嬉しいです。関係無い話ですが、私も前におそ松さんの学生ストーリーの作品を作って、あら公式と違うわとなりました。…共感です。笑 (2019年2月14日 18時) (レス) id: dc9d359d93 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 来夢*゚さん» 初めまして。素敵な感想ありがとうございます!キュンとくる内容になってるか微妙だったのでそう言って貰えてとても安心してます。のんびり更新な感じではありますがどうぞ最後までお付き合いよろしくお願いします ^ ^ (2018年5月6日 6時) (レス) id: f22e3e55d7 (このIDを非表示/違反報告)
来夢*゚(プロフ) - 初めまして。学生特有の甘酸っぱい恋物語に当方毎回楽しみにしながらキュンキュンさせてもらってます(〃ω〃) これからも頑張ってくださいね。応援してます! (2018年5月5日 16時) (レス) id: 522dbc585e (このIDを非表示/違反報告)
万珠沙華(プロフ) - レスありがとうございます!! (2018年4月22日 20時) (レス) id: a8300dcf2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れな | 作成日時:2018年4月19日 19時