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「うへぇ…残りの強化は低かったぁ…」
「でも全教科赤点回避したじゃん」
「そうだけどさぁ、せっかくAちゃんに教えてもらったのに平均点より低かった教科があったんだよ?」
「仕方ないよ。今回の日本史は難しかったもん」
「いつもより平均点低いって先生が嘆いてたし。」と放課後の教室で、お互い向かい合いながら期末の結果を話し合う。
「それでも勉強始めたのが遅かったのにも関わらずこの結果だから、やっぱりすごいよ」
「そうかなぁ…」
「現代文に関しては私すごい悔しかったし」
「………え?」
「Aちゃん??」と隣から少し焦り気味の声が届くも無視して続ける。
「それに、これで夏休み取れたじゃん」
「あ、そっか!」
「よっしゃー!夏休み自由に過ごせるー!!」なんて今さっき気づいたかのように突然調子に乗り始める彼。
さっきまでのテンションはどこへやら…
「でも夏休みも課題はでるよ?」
「………それはいーの!!!」
「いや、良くないから…」
「んもーAちゃん真面目すぎ〜!もっと気楽に人生生きてこーよ!な!」
「じゃなきゃ絶対この後損するよ〜?」なんてニヤニヤしながら言ってくる彼に「うっ…」と声が漏れた。
時々核心をついてくる彼の言葉が怖くなるのは、私だけだろうか。
「そろそろ帰るか〜」
「今日は弟さん達と帰るの?」
「そ!皆丁度部活とか委員会が休みだからさ!」
「そっか」
「じゃーねAちゃん!また明日!」と手を振りながら教室を後にする彼に、私も手を振りながら「またね」と言う。
すごい嬉しそうだったな、なんて思いながら荷物を纏め始めていると、突然、パタパタと走る音が廊下に響き渡った。
気になってドアに目を向けると、いつの間にか彼が教室に戻ってきていて。
少し驚きながら「え、ど、どうしたの?」と彼を見つめた。
「お礼!したいからさ!何かして欲しいこととかどっか行きたいとことかあれば考えといて!そんだけ!!」
「じゃ、またな!」と言うと彼は颯爽と去っていった。
え…お礼って、、別にいいのに。
私はあなたの嬉しそうな顔が見れるだけで、もう充分お礼は貰ってます……なんてことはきっと死んでも言えないだろう。
てか、そんなことより、
「あれを言うためだけに、わざわざ戻ってきたの…?」
彼は一体どこまでバカなのだろうか。
どこかふわふわした気分になっているのをそんな言葉で誤魔化した。
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れな(プロフ) - しっぽうさぎさん» 素敵な感想ありがとうございます!とっても嬉しいお言葉ばかりで…書き手冥利に尽きます´ `* これからもまったり更新ですが最後までよろしくお願いします!高校時代はまだ公式さんから何も言われてなかったので、自由に想像しながら書けてたんですけど…焦ってます;; (2019年2月16日 9時) (レス) id: f22e3e55d7 (このIDを非表示/違反報告)
しっぽうさぎ - 読み始めた瞬間『あ、この作品好きだ。』と感じました。久々の感覚と、久々に好みな作品を見つけられて最高に嬉しいです。関係無い話ですが、私も前におそ松さんの学生ストーリーの作品を作って、あら公式と違うわとなりました。…共感です。笑 (2019年2月14日 18時) (レス) id: dc9d359d93 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 来夢*゚さん» 初めまして。素敵な感想ありがとうございます!キュンとくる内容になってるか微妙だったのでそう言って貰えてとても安心してます。のんびり更新な感じではありますがどうぞ最後までお付き合いよろしくお願いします ^ ^ (2018年5月6日 6時) (レス) id: f22e3e55d7 (このIDを非表示/違反報告)
来夢*゚(プロフ) - 初めまして。学生特有の甘酸っぱい恋物語に当方毎回楽しみにしながらキュンキュンさせてもらってます(〃ω〃) これからも頑張ってくださいね。応援してます! (2018年5月5日 16時) (レス) id: 522dbc585e (このIDを非表示/違反報告)
万珠沙華(プロフ) - レスありがとうございます!! (2018年4月22日 20時) (レス) id: a8300dcf2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れな | 作成日時:2018年4月19日 19時