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赤と黒の糸 ページ11

妹「、、、ちゃん、、、お兄ちゃん!」

兄「っ!?
  びっくりした、どうしました?」

妹「「どうしました?」じゃないでしょ!
  もう、昨日の仕事が終わってからずっと上の空だよ。ボクが寝てた間に、神様と何話してたの?」

そう。昨日、天乃玉王様から忠告を受けた後、僕はどうにも作業に手をつけられずに考え事をよくしてしまうようになった。けれど、それは仕方ないでしょう。深雨が死ぬかもしれない。その恐怖が、僕の寿命を余計にすり減らされてる気がするね。

兄「何でもないですよ。唯、久しぶりの大仕事で疲れてるだけ。気にしないで」

妹「本当に?」

兄「当たり前です。僕が深雨に嘘をつくことなんてある?」

妹「いやあるからね」

兄「そこは嘘でも無いと言って欲しいのだけど」

今だ忌々しく見える、黒い糸。普通の糸と同様に簡単に切れると、苦労はしないのだけれど。
それにしても、深雨の赤い糸の相手は誰なのかな?僕たちの交友関係的に、にじさんじ内のライバーな気がするけど。でもまぁ、いずれ出会うでしょう。それよりも、どうやってあの妖を倒すのか考えなければ。不可抗力だけれども、もう一度実家に戻って蔵を漁りますか。何か良い文献があるかもしれないし。

妹(また1人で何か考えてる。なんで、教えてくれないのかな?ボクって、頼りないかな)

仕方ないです。早めに行って、終わらせましょう。

兄「深雨」

妹「どうしたの?」

兄「唐突ですが、明日実家に戻ろうと思います」

妹「えっ!?急に、なんで、、、」

兄「調べものです。安心してください。必ず、明日中には家に戻ってくるので。それに、久しぶりに姉上や兄上の様子を見てこようと思います。
  なので、深雨は何か2人に手紙でも書いたらどうかな?」

妹「それいいね!
  なら今すぐ書いた方がいいかな?」

兄「明日の朝までなら待つよ」

妹「わかった!」

寂しい思いをさせてばかり。だけど、君のためだから。だから、こんな兄である僕を許して欲しい。ごめんね、深雨。
 

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作者名:犬塚みかこ | 作成日時:2023年1月9日 20時

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