99、幸せになって下さい ページ3
「あ、あの、智さん‥‥」
「遠慮することなんてない。だから早く‥‥」
言葉を発しようにも
上手く言葉が出てこない‥‥。
「そんな事してると、俺期待しちゃうよ？」
「いや！あの、それは‥‥‥」
「別に俺、Aちゃんを困らせたい訳じゃないよ？ただ‥‥、ハッキリ言ってくれた方が俺も諦めが付くからさ‥‥、だからさ、ね？」
困り顔の智さん‥‥。
智さんのこんな顔、見たい訳じゃないのに‥‥、
どうして私は‥‥、
「ごめんなさい！私、他に好きな人がいるんです」
こんなにも、あの人が好きなのだろうか‥‥。
どうしてこんなにも‥‥、
あの人じゃなきゃ駄目なのだろうか‥‥。
言葉では言い表せられないほど
私は翔が好き‥‥。
「ホントにごめんなさい！ホントに‥‥、ごめんなさい‥‥」
溢れ出す涙の雫‥‥、
「あーぁ、泣きたいのはこっちなのに‥‥、どーしてAちゃんが泣くかなぁ」
それを優しく拭ってくれる智さんは
私にはもったいないくらいの人だ‥‥。
「ホントに‥‥、ホントに‥‥、ごめ‥‥」
「もう泣くなって！」
ほんの一瞬‥‥、
智さんに抱き締められるけど
それはすぐに解かれ‥‥、
「もー良いから、アイツのとこに行きな」
「でも‥‥」
「良いから！ホントにもう、俺の事は良いから‥‥、一人にしてくれ‥‥」
私に背を向け
追い払うような仕草をする智さん‥‥。
私はそれを受け入れ
黙ってその場を立ち去った‥‥。
この島に来て
一番善くしてくれた智さん。
あの人が現れなかったら
私はきっと
貴方を好きになってたと思う‥‥。
だからどうか
幸せになって下さい。
貴方の幸せを
心から祈っています‥‥‥。
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作者名：翔ミー
| 作成日時：2016年9月27日 23時
