冬プロアイドル小説置き場

承和ミオン　２ ページ3

一週間は何も無かった。友達は優しくかっこいいお姉さんで、おいしいご飯はお手の物。それを横で見て、私が料理を覚え始めたのもこの頃だ。一週間くらいで、どうやってか父親が現れた。最初は「俺が悪かった」という殊勝な態度で、次第に「戻ってこないと酷い目に遭わせるぞ」と威圧的に。
ただ、相手が悪かった。実はこの友達の人付き合いが幅広く、三日もしない内に黒服の男たちが父親を連れ去っていった。それ以来、父親を見ていない。詮索はしないけれど。
その後、母親は新しいアパートを借り、友達の紹介で夜のお仕事をし始めた。私も新しい幼稚園に通いだした。ルナに会ったのはこの後だけど、それはまた別のお話。

あの日から、人生が一転した。私も母親も暴力を振るわれないし、母親は忙しいけれどお店で一番モテモテなので貢ぎ物も多い。私は料理が上手になり、その他にも一人で生きていく術を身に着けた。何と良い事だらけではないか。
今、父親はどこで何をしているのだろう。全く興味は無いけれど、もう二度と関わらないでほしい。ただ、それだけ。

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