1話 ページ2
【真姫視点】
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〜♪〜〜♪〜♪〜〜〜♪〜
_____ここは音楽室。
今日も私が弾いているピアノの音色が響いているこの頃
私には面倒くさい悩みがある。
今日も悩みの原因が音楽室のドアを軽やかに開ける。
そして爽やかな笑みでこう告げるのだ…
「おはよう、真姫。今日も良い音色だね」
…っと。
ここに恋に恋する乙女が居たら
きっと黄色い歓声が響くであろう爽やかな笑顔。
光を浴びて輝いている艶やかな黒い髪。
青空のように澄んでいる綺麗な水色の瞳。
片目は前髪に隠れているが、それがまた魅力となっている。
素直になれない私だが、この人のことは純粋に綺麗な人だと思う。
だが、結局は悩みの種でしかないのである。
「…はぁ。また来たの?貴方も飽きないわね」
私は呆れ気味にあの人に告げる。
素直になれないのが私の性格なのだ。
こんな私も充分面倒くさい人だと思う。
「僕は君の音楽が好きだからね。どんなに聞いても飽きないんだ」
そういってまた爽やかな笑みをする。
……なんでこんな恥ずかしいセリフを恥ずかし気もなく吐き出せるんだろうか…
素直すぎるのも問題と思うのは私だけだろうか…
そんなこと言っても、私の顔にはもう熱が集まっている。
なんだかんだ言って、私にはそんなことを言う資格は無いのだ。
そしてそんな私の顔を見てまたあの人は満足気にクスッと笑う。
……でも、そんな姿まで様になっているので少し悔しい。
それでも私は素直になれないからこう返す…
「………意味わかんない…///」
っと…
本当にひねくれていると思う私だが、
あの人はそんな私が良いと言うようにいつも一緒にいる。
私がひねくれていると言うならそんな私と居るあの人は変人だ。
そんなことを思いながらあの人の目を見ると、
たまに見せるギラリとした目をしていた。
獲物を定めたような目だ…
私と二人きりになるとたまに私に向けてくるのだ。
それもまた、私の悩みの1つとなっている。
どうしてこんなことになっているのか検討もつかない私だが
ふと、あの人と初めてあった日のことを思い出した…
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