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｢……だから手伝わなくていいのに、調子良くないでしょう？あまり無理しちゃダメよ｣
零くんが持っていたダンボールを取り上げ、ドアまで追いやった。すると、何か考える仕草をしニコッと零くんは笑う。
｢ん〜、じゃあ元気になるまじないをかけておくれ｣
｢まじない……？｣
｢そうそう、元気が出るまじないじゃよ。Aさんにやってもらえば効果抜群な気がするんじゃが……♪｣
｢もう、お遊びに付き合ってる暇ないわよ｣
｢失礼な。お遊びじゃないぞい？｣
そう零くんはピタッと体をくっつけ抱きしめてくる。
｢零くん、引っぱたくわよ｣
｢まあまあ、少し黙っておれ｣
次の瞬間、少しだけ体がふわっとした感じになる。
この感覚……
結構感じていた事なのだ。前からずっと。
彼に触れると少しだけ疲れる時がある。
相手をしていたから疲れるというそういう話でもない。
でも今は結構疲れている。うん、言葉で言い表すのは難しい……そんな感覚だ。
｢……零くん、離れて…疲れた｣
｢ん〜、もう少しこうして痛いんじゃがAさんの為にもここまでにするとしよう｣
｢ほら、早く帰りなさい｣
｢我輩少し元気でたしやはり手伝うぞい｣
｢はぁ……頑固ね｣
｢お互い様じゃよ｣
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｢はぁ……終わった〜！！！！！｣
椅子にドカッと座り両手を上げた。
本当に疲れた、足腰が痛い。
｢お疲れさんじゃ｣
反対に零くんはニコニコと笑いながらどこから持ってきたのか分からないトマトジュースを飲み始めた。
｢さ、みんなに挨拶して帰ろうかしら｣
｢それが良い、送っていくぞい｣
｢いいわよ、家に直行で帰らないし｣
｢はて、学院に戻るのかえ？｣
｢それもそうなんだけど、久しぶりに居酒屋にでも行こうかな〜って｣
お酒を流し込んで早く寝たい。
今日はライブがあったせいで少し興奮してるし、中々寝れないだろう。
それに、後輩がバイトしてる居酒屋があるらしく顔を出したい。
｢さ、という事でアイドルは早く帰って身体を休めなさい！｣
そう零くんの背中を押した。
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※次のお話は夢主の過去の話中心です。
読まなくても大丈夫ですが、この先のお話が少し分からないかもしれません。
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作者名：X | 作成日時：2023年5月5日 21時
