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「ほんと、A先生みたいな素敵な人がいるのにお仕事が回ってこないなんて残酷だよね」
そう天使のように微笑む彼は天祥院英智くん。
私がダンスの振り付けを確認するためレッスン室に行く途中、英智くんに捕まりどうしたのかと聞けば見学したいと言ってきたのだ。
別に断る理由もないし中に入れて私は私の事をやっていると端にちょこんと座っていた英智くんが話しかけてきた。
「ふふっ、そう言ってくれるのは貴方だけだよ、ありがとう」
「どういたしまして♪」
「それで?」
英智くんは頭に?を浮かべ首を傾げた。
「私に用があるんでしょう?じゃなかったら声掛けないでしょう?」
「酷いな〜、僕は純粋に先生のダンスが見たかっただけなのに」
「本音は?」
「先生とお話ししたかっただけだよ♪」
「はぁ…」
話にならない。
「まあ、実を言うとね。先生にプロデュースして欲しかったんだ」
という事はユニットの事だろう。最近新しいユニットを組んだとか……
「あ〜、確かfineよね?」
「そうそう、先生が手を貸してくれたら___って思ったけどやっぱ諦める事にするよ」
「理由を聞いても?」
「う〜ん、どうしてでしょう」
「………?」
「凄く僕らしくないと思うんだ。何でだろうね」
何を言いたいのだろうか……英智くんらしくない気がする。
まあでも、何となくは察せる。
「私は五奇人討伐がどうのこうのって話あまり好きじゃないのよね」
「…!!」
「私は生徒じゃないし、言っちゃえば部外者だから貴方たちのいざこざに入れないし、入れるわけないの」
「驚いたな、先生って意外に勘がいいんだね」
「勘がいいというか…まあつむぎくんと、英智くんが話しをてるの聞いちゃっただけなんだよね〜。ほら、私って暇だから」
あはは〜と笑い、ダンスの振り付けをノートにメモった。
よし、とペンとノートをバックにしまいレッスン室のドアノブに手をかけた。
「英智くん、程々にね。革命を起こすのは否定しないけど最終的に参るのは貴方よ」
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作者名:X | 作成日時:2023年5月5日 21時