複雑な兄弟 ページ19
軽音部室にて
「しくしく、めそめそめそ……。ぐっすん、およよよよ……」
「んもう。不自然な泣き方しないで、元気だして下さいよ朔間先輩〜?」
「気持ち悪い泣き方してるわね……」
葵ひなたくんは呆れたようにため息をついた。
「えぐえぐ、これが泣かずにいられるかや!いつも兄弟、仲良しなひなたくんには我輩の気持ちはわからんよ〜?」
「え〜、わかっててそういう事言うんだから……いつも小さい喧嘩ばかりですよ〜?俺はゆうたくんの事愛してるのに……昨日も喧嘩しちゃったし……口聞いてくれない……」
「ふふっ、けど内緒でバイトしてたんだから仕方ないわよ。私だって兄さんが内緒でバイトしてたなんて知ったら怒るわ」
「あれ、A先生って兄妹いるんですか?」
「上の兄と下に弟が」
「えっ、我輩初耳なんじゃが?!」
「えっと、話戻しましょう」
話を聞いてみればどうやら凛月くんとつむぎくんが関係してるようだ。
「そんな事で……」
「そんな事ではないぞい?!Aさんだって弟が他の奴にお姉ちゃん♡なんて言いよってたら傷つくじゃろうて!」
「ん〜〜別にいいわよ?昔から、お姉ちゃん!お姉ちゃん!ってするほうじゃなかったし……ああでもたまに甘えてくるとすごく嬉しくなっちゃうわ
むしろ兄さんの方が……そう、零くんみたいね」
兄の事を考えた瞬間寒気がした。
「ん〜、何となく凛月くんが零くんをキモイって言うのはわかる気がする」
「Aさんまで……」
「って……部屋の外で音が聞こえてきますね?」
「おや、楽器を鳴らしておったから気づかんかったわい、お客さんさんかのう?
お〜い、誰かは知らぬが入ってきて良いぞい?」
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「あら、あんずちゃん。こんにちは」
「わ、転校生さん!こんにちは〜☆」
「こんにちは」
「軽音部に用かしら?それとも復活祭の話……?」
「はい、その事で。現場を下見がてら必要なものを買い出しに行きたくて……興味がある人がいたら一緒に連れていけど蓮巳先輩にいわれまして」
「なら私も行こうかしら……ちょうど今日のレッスンは予約入ってないし」
「Aさんが行くなら我輩も行こうかのう。現場の下見も大切じゃし」
「ひなたくんはどうする?」
「ん〜、じゃあ俺も行きます!」
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作者名:X | 作成日時:2023年5月5日 21時