伍拾壱 ページ40
物「うっ…」
物吉は痛む腕を抑えながらも、自身を持つ手を緩めたりなどしなかった、
鶴「物吉!痛むなら一度後に下がっていろ!」
物「嫌です!Aさんが苦しんでいる時に、僕は助けてあげないといけないんです!!休んでなんていられません!!」
鶴「だが……!」
三「鶴丸、此処は物吉の言い分を聞いてやってはくれぬか」
鶴「三日月……」
三「勿論のこと、俺とて物吉と同じ気持ちだ、Aを助けたい、其れは皆同じだお前だってそうだろう?」
その言葉に、グッと拳を握り締める、
心の中で、Aの声が木霊する、
〘私達、お互いに止めあって、助け合って、支え合えばいいんじゃないかしら?〙
強い意志の籠もった瞳で、
〘貴方が居てくれるなら平気な気がするわ〙
優しい微笑みで、
〘もう少し、抱き締めていて、貴方のこと、感じてたい〙
少し紅い顔で
そう云うお前が!何時だってたまらなく愛おしかった、
鶴「っ嗚呼………!俺達で、」
《Aを助けなきゃいけないんだよ!!》
______
鶴の声が聞こえる、
手を伸ばす、
其れでも、
何かに阻まれて
それ以上伸ばせない、
出られない、
__貴方に触れたくて
__貴方の声が聞きたくて
__貴方に抱きしめて欲しくて
私も、何か出来ないかな……
此処から出る為に……
そうだ………帯刀したまま……だよね……
自身を抜刀する、
そして、大きく振り被り見えない壁を斬る、
が、
ビリィッ
と音を立てるのみで、壊れた様子は無い、
だが、何かをしなければ、出られるものも出られない、
なら、
やってみる価値はある。
また、自身を握り直した。
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雪鰆 - めっちゃ面白いです!やっぱり鶴さんかっこいい〜 (2018年9月23日 14時) (レス) id: 835c76ad1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Dream | 作成日時:2018年5月26日 21時