Ⅰ.翔ける閃光 (ページ3)

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怒涛の如く詰め寄った越光サッカー部に全員が少し後ずさる。
だが、褒められて悪い気はしないし逆に嬉しいので円堂達は一人ずつ挨拶して交流を深めた。
が、鬼道がハッとしてサッカー部部長甘味(あまみ) 慎之介に声をかけた。

「盛り上がってるところすまない。オレたちは光輝未来という人物に会いに来たんだが…」

「あ、興奮しすぎて忘れてた。えっと未来だよな？未来なら今」

「キャプテーン…雪だるまつくーろー……」

「「！！」」

「あー…またか」

ドアの向こうから少女のか弱そうな、というより疲れきった声が聞こえてきた。
この声の主が例の…となっている円堂達を他所に甘味が頭を抑えながら部室のドアを開けた。
どんな人物が…と身構えた矢先、目に入ったのは人ではなく積み上げられた箱や袋の山。

「…………えっ」

「お前なぁ…まーた、貰ってきたのか」

「キャプテン、う、腕がぁ…！」

「オレの左腕は喰われてねーぞ。羽月、水穂手伝ってくれ」

「「了解」」

目の前の光景に円堂達が固まっている中、羽月美乃里(はづきみのり)と水穂照(みずほひかる)は慣れてます、という感じに重なっている品々をテーブルに置いていくと遂に顔を拝む事が出来た。

「ありがとう二人とも」

「び、美少女でやんす……」

「美少女サッカー選手が遂に来ましたァ！」

「なぁ、目金。それだとアタシが美少女じゃないって聞こえるんだけど？？」

「ひえっ」

「あの人が『翔ける閃光』と呼ばれている光輝未来さん…！」

「想像と全然違うや…」

綺麗な長い金髪を靡かせ、青空のような瞳を持った顔が整っている少女。

「お前なぁ…いっつも断れって言ってんだろ！」

「おじさんやおばさんが持ってけって言ったり、廊下ですれ違った女の子達が…それにねキャプテン」

「ん？」

「女の子から貰った物を無下にすることなんて出来ないよ」

「羨死万死」

「キャプテン、男の嫉妬は醜いぞ。それより光輝、お前にビッグなお客さんだ」

「ビッグなお客さん…？」

越井からひょこっと顔を覗かせて雷門イレブンを見ると、ビシッと石のように固まった。

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