Ⅰ.翔ける閃光 (ページ4)

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今日も今日とて部活に行く際、知り合いのおじさんやおばさんに挨拶をすると差し入れを沢山貰い、学校に来るなり後輩の子達にお菓子を貰ったりしてしまった。

有難いけど、腕が痛い。
よくゲームやアニメで見るようなプレゼントの山が出来た。

バランスを崩さないように、部室に入り、いつも通りプレゼントの山を手分けしてテーブルに置いてもらうと、越井先輩から私にビッグなお客さんがいると言われて越井先輩の後ろを見た───が。

「…………………え、テレビで見たことある人達がいるんだけど。この間優勝してたチームの方々がいるんですが」

「本物の雷門イレブンだよ」

「…も、モニタリングとか？」

「現実を見ろ」

「うそじゃん」

私は恥ずかしくなって、越井苳太(こしいふきた)先輩の後ろに隠れた。
憧れの存在であり、ファンでもある雷門の皆さんに醜態を見せてしまった。
かくなる上は…

「腹を切らねばッッ」

「軽率に腹を切ろうとするな。すみません、コイツこんな奴なんですよ…」

「愉快な子ね」

「それでいて可愛い人ですね」

「ええ…でも、あの子が円堂君達と引けを取らない選手なのよね」

「ギャップってやつなのかなー」

そこの可愛いマネージャーさんと選手ちゃん聞こえてます。
ていうか私なんかよりそちらのマネージャーさん三人と選手ちゃん方が可愛いです。

すると、私の方に円堂君がやってきた。

「お前が光輝未来なんだよな？」

「──…初めまして、円堂君達雷門イレブンの皆さん。改めまして越光中学校二年の光輝未来です」

私は恥ずかしがっていた気持ちを吹き飛ばし、目の前に現れた円堂君に向かって真っ直ぐな目をして挨拶をした。

「皆さんのことはテレビを通して知っています。決勝戦感動しました。ファンです。握手してください」

「そんな畏まらなくていいぜ！オレたち同い年だし」

「……うん、わかった。よろしくね、円堂君」

「おう！よろしくな！」

そう言って私は円堂君と握手をする。やべっ、もう手洗えない。
そんなことを思っていると「少しいいかしら」と女性の声が聞こえてきた。
声がした方を振り向くと、知っていた人がいた。

「久しぶりね、未来」

「瞳子ちゃん…！」

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