Ⅰ.翔ける閃光 (ページ5)

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吉良瞳子ちゃん。私が一時期お世話になった所のお姉さん的存在だった人。
テレビを通して雷門の新監督となっていたのは知っていたけど、こうして会えるとは思ってもみなかった。

「え、未来ってば雷門の監督さんと知り合いなの？」

「昔お世話になったんだよ。それで、私に用って…？」

「私達と共にエイリア学園を倒すために力を貸してほしいの。未来」

「…………キャプテン、私の頬抓って。もしかすると夢かもしれない」

「お易い御用だ」

キャプテンにお願いして頬を引っ張って貰うととんでもない強さで引っ張られた。
何すんだこのキャプテン！？
でも、抓ってくれた事で分かったことがある。

「夢じゃなかった！！」

「よかったね」

「それで、どうなのかしら」

「………うん。私も雷門の皆と一緒に戦うよ。例え宇宙人だろうとタマもぎ取れば一発だろうし」

「あの顔でえげつない事言ったぞ」

「僕はああいう子好きだよ。面白いよね」

でも、宇宙人と戦うとしてもその間皆と離れることとなる。
私は恐る恐る振り向こうとすると、キャプテンがトンっと私を前に押し出した。

「なーに不安がってんだよ。行ってこい、光輝」

「アタシ達の分まで宇宙人をボコボコにしてきなさいよ！」

「こっちは少し寂しくなるけど、帰ってきたらまたサッカーしような！」

「っ…はい！」

皆に背中押され、私は雷門の皆と戦うことにした。
だけどその時、染岡君が声を上げた。

「だが、ちょっと待て」

「「？」」

「例え異名があったり、ここいらで有名で強かろうとオレたちはお前の実力を知らねぇ。ここではい、仲間にしますとは頷けねえよ」

確かに。
私がもし雷門の選手で、実力も知らない相手がこうも簡単に選手入りしたら納得出来ない。

「…それもそうね。なら試合するのはどうかしら」

「いいですね！なあ、光輝。お前の実力を見せてくれ！」

「…うん。やろう、試合。皆もいいよね？」

振り向くと、皆賛成してくれてキャプテンからも了承が出た。
しかも相手はあの雷門イレブン。
相手にとって不足なし。

私達はグラウンドに出て、サッカー用のフィールドに降り立つ。
雷門イレブンと戦えることは光栄だけど、今の私たちは敵同士。

ファン精神は一旦捨てないと。
私は下ろしていた髪を上げてゴムで結び、閉じていた目をゆっくり開いた。

「─────行くよ、皆」

「「ああ！」」

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