139話 ページ44
「シャイロック、何か知らんか？ムルの様子がおかしい時期はなかったか？」
「ムルの様子など毎日変です。余計なことばかりして……ああでも、数年前ムルに決別を言い渡されました。その時ばかりはついにおかしくなってしまったのかと思いましたよ」
「決別？」
賢者の魔法使いになった今でも一緒にいるのに？
と思ったが、ムルのことだ。
別々に生きようと言われたシャイロックの反応を見て遊んでたんだろう。
「急にムルが言い出したんです」
まるで昨日の事のように思い出せる。
あれは肌寒い春の夜でした。
「シャイロック」
「なんでしょう」
「どんなものであっても過去は必要か？」
「…」
過去があるから貴方は今生きてるんでしょう。
また馬鹿なことを言い出したとシャイロックは頭を抱える。
「必要でしょう。今度は何をするつもりで？」
魔法科学なんてものに手を出した魔法使い。
それだけで忌み嫌われてしまうのに、これ以上なにかしてみなさい。全魔法使いから追われますよ。
「……悪いことはしない」
「いいえ、悪いことでしょう」
「ちがう」
「では何をするんです？」
「それは言えない」
「なら悪いことでしょう。いい事なら貴方は嬉々として私に話します。それが出来ないのはあなたの中にやましさがあるからです。これは助言ではなく警告です、ムル。今考えてることを実行してはなりません。貴方、石にされますよ」
私の言葉を聞いてムルはため息をついた。
溜息をつきたいのはこっちだ。
そして静かに「明日昼前に来てくれ」と言って家から追い出されたのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 339人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
灯油マン(プロフ) - るゆさん» ありがとうございます！早起きですね！4もありますよ！ (2021年12月5日 8時) (
レス) @page50 id: 3428c02407 (このIDを非表示/違反報告)
るゆ - 3終わりましたね……めっちゃやばかったです、過去編が楽しみすぎる。4が出るのを楽しみに待ってます！ (2021年12月5日 7時) (レス) @page50 id: 360678e429 (このIDを非表示/違反報告)
灯油マン(プロフ) - るゆさん» ありがとうございます！面白いと思い続けて貰えるように頑張ります！！ (2021年11月30日 12時) (レス) id: 3428c02407 (このIDを非表示/違反報告)
るゆ - 灯油マンさん» いえいえ！こちらこそ、語彙力がないので上手く感想を口にすることが出来ないんですけど、読んだら感想を言いたくなるお話なので… (2021年11月30日 5時) (レス) id: 360678e429 (このIDを非表示/違反報告)
灯油マン(プロフ) - るゆさん» お久しぶりです！！ありがとうございます。わたしもなかなか更新できてませんでしたので！いつも本当にありがとうございます。 (2021年11月29日 9時) (レス) @page2 id: 3428c02407 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：灯油マン | 作成日時：2021年8月1日 11時
