九条の貴婦人 (ページ38)

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竹早は笑顔で滝川にあなたが嫌いです発言してからどこか楽そうになった

だが滝川は自分の祖父のことについて悩んでいた

ある日神社の倉庫で祖父の遺品を探していたら棚の上から茶色の封筒が落ちてきた

滝川「写真？これじいさんか？……ん？これは」

古い写真には道着を着た4人が映っていた……

中崎「八坂先生と西園寺先生、九条先生だな。それからこっちのお方は大曽根先生だ、面影がある」

中崎なら何か知ってると思い滝川は写真を持って弓具店にやってきた

中崎「いやぁ！わっかいなー！！みんな当時の弓道界の権威者だった皆様方だよ」

滝川「やっぱり。西園寺先生と九条先生には子供の頃何度かお世話になってたからそうかもとは思ってたんだけど」

中崎「ま、確かに西園寺先生は最近もう弟子はとられてないみたいだし九条先生は孫のAちゃんにお教えなさるが弟子を今までとったことないし、公の場にも滅多に出てこられないからなー」

何かを考える滝川に中崎はニヤッとする

中崎「西園寺先生の連絡先ならわかるぞ？」

滝川は西園寺邸にて鳴宮が弟子だと知り祖父について聞いた後車に鳴宮を乗せて九条邸に向かっていた

「はい、九条です」

滝川は連絡を差し入れた者だと自分の名前を言い、女中は門を開け中に案内した

九条「懐かしいのう、最後に会った時は青年の顔をしていたというのに立派に大人になって……」

滝川「お久しぶりです九条先生。なかなか顔を出さずすみませんでした」

九条「よいよい、ところでそこの君は？」

九条の目線の先には滝川の横、そわそわした鳴宮がいた

鳴宮「あ、鳴宮湊です。いつもAさんと仲良くさせてもらってます」

九条「ほう、Aの友人か。わしは九条清隆、Aが世話になっとるのう」

微笑み方がAと似ていてあぁおじいちゃんだと改めて感じた

滝川「今日は私の祖父のことについて尋ねさせていただきました。祖父は生前私のことで何か言っていましたか？」

九条「八坂くんか……君のことをいい弓引きになると言っておったよ。だが彼は頑固者だったし、八坂くんのことなら同じ神職の大曽根くんに聞いた方がいいかもしれないね」