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妹尾「早い」
中崎「そうか、早気なのは落の子か」
まだ鳴宮の早気は克服できていないが着離れではなくなった
花沢「1巡目は5射2中」
妹尾「厳しいね」
A「桐先を意識しすぎているね、あのままだと負の連鎖が止まらないよ」
2巡目もよくない流れで山之内の番が来たが弦が切れてしまった
中崎「あれ？！」
どうしたらいいかわからない山之内は辺りをキョロキョロして落ち着きがない
A「ここで失」
蓮「お、おい、こういう時はどうするんだ？」
A「弦を係りの人が張り替え直してもらえるけど一本引いたことになる」
静弥は中てるが後ろにうまく回らない。この曇り空が男子たちの心を表しているようでAの目は悲しそうだった……
競技が終わった男子の元に行こうとするとAのスマホが鳴る
A「ごめん、先に行ってて」
妹尾「わかった」
妹尾たちと別れたAは人通りが少ない場所に移動して電話に出た
？『やっほ〜A』
A「先輩、どうしたの？」
？『いや、特に用はないけど……声聞きたくなっちゃった』
Aは思わずにやけてしまいそうになったがここが屋外ということに気づき平常心を保った
？『あれ？今外にいる？』
A「うん、今日は県大会だから」
？『県大会？弓道の？』
A「うん、今年からできたの」
？『ふーん、Aの他に部員って何人いるの？』
A「男子5人女子3人だよ」
？『……』
スマホから彼の声が聞こえなくなってAは彼の名を呼ぶ
？『A』
いつものちゃらけた声ではなく男らしい声でAの名を呼んだ
A「どうかした？」
？『……いや、来週の土日空いてる？』
A「来週？空いてるけど」
？『じゃあその日そっち行くね、泊まるから』
急遽決まった来週のデートにAはぱぁっと顔を明るくした。県が違うため会う日ができると嬉しいものだ
A「うん、楽しみにしてるね」
そろそろ戻らなくてはいけない時間になったAは彼との電話を切った……
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作者名：奏 | 作成日時：2023年1月24日 8時
